車重で中国GPを読む!!
スタート時点の重量が公表されている。Q3まで進出したマシンは、走行終了後に計量が行なわれ、それ以外は、搭載燃料を計算して申請する。この数字には、レースをより面白く観るヒントが隠れている。
670Kgを水準重量と独断設定し、プラスマイナスを観察してみると、発表された数字から以下のことが見えてくる。
◆軽いトップ3
特に軽い数字に☆、特に重い数字に※をつけているが、トップ3は、いずれも水準地より20Kg以上軽い。
◆ブロウンGPのポジション
開幕戦から連続ポールポジションから2連勝したブロウンGPが予選で4位と5位と”地味”に映ったのは、2台ともQ3で”それなりに積んでいた”からだった。
◆スーパーソフトから行く?
タイヤ交換のタイミングは、ロング-ロング-ショートのスティントで組み立て、長距離では辛くなるスーパーソフト・タイヤを最後に持ってくるのが手堅い作戦だが、トップ3は、軽い燃料で早めのピットインを計画し、スタートでソフト・タイヤを履いてくるかもしれない。
◆強者の賭け
マ
レーシアGPで、フェラーリのライコネンが雨を予測して”早すぎるウェットタイヤ”を選択したことに対して、判断ミスを指摘する声があったが、それは狩猟
民族のレースを知らない意見と言えるかもしれない。なぜなら、フェラーリにとって、5位は「ないのと一緒」だからだ。だとしたら、外れたとしても、チャン
スにかけるのが正しい選択。もし直後に雨が来たとしたら、フェラーリの(シューマッハの、というべきか)素晴らしい決断が褒め称えられたに違いない。
◆安定しか選べないブロウンGP
マ
レーシアのフェラーリと逆の状況を、今回のグリッドのブロウンに見てとれる。彼らは普通にやれば勝てる。つまり、他のチームは”普通にやっては勝てない”
ことになるのだが、そうした状況から、ブロウンGPは、安定指向にならざるを得ない。ブロウンGPの2台は、バトンが659Kg、バリチェロが661Kg
と、規定重量として設定している670Kgの”ライン上”にいることに注目しておきたい。
◆中嶋一貴は、重めの682Kg
長く曲がりこむコーナーの多い上海サーキットが、「どうしてもしっくりこない」ままでレースを迎えるが、軽めの650Kgでスタートするチームメイトのロズベルグと比較してみるのも一興か。
◆複雑なトゥルーリの心境
ス
タート直後の1コーナーでの注目は、6番グリッドのトゥルーリ+トヨタと、7番グリッドのロズベルグ+ウィリアムズ。ロズベルグは、後方のライコネンが
▲20Kgと重いので抜かれる心配をしなくて済む。トゥルーリは、前のブロウンとは重量差がないことから抜くのは難しいが、後ろにいる自分より少し軽めの
ロズベルグには注意をしておかねばならない。往々にして、そうして気にするときには、スタートがうまく行かない場面も考えられる。
予選順位 | ドライバー | 総重量 | 偏差重量 | |
1 | フェッテル+レッドブル | 644Kg | ▽26kg | ☆ |
2 | アロンソ+ルノー | 637kg | ▽33kg | ☆ |
3 | ウェーバー+レッドブル | 646.5kg | ▽23.5kg | ☆ |
4 | バリチェロ+ブロウン | 661kg | ▽9kg | |
5 | バトン+ブロウン | 659kg | ▽11kg | |
6 | トゥルーリ+トヨタ | 664.5kg | ▽5.5kg | |
7 | ロズベルグ+ウィリアムズ | 650.5kg | ▽19.5kg | ☆ |
8 | ライコネン+フェラーリ | 690kg | ▲20kg | ※ |
9 | ハミルトン+マクラーレン | 679kg | ▽9kg | |
10 | ブエミ+トロ・ロッソ | 673kg | ▲3kg | |
11 | ハイドフェルド+BMWザウバー | 679kg | ▲9kg | |
12 | コバライネン+マクラーレン | 697kg | ▲27Kg | ☆ |
13 | マッサ+フェラーリ | 673.5kg | ▲3.5kg | |
14 | 中嶋一貴+ウィリアムズ | 682.7kg | ▲12.7kg | |
15 | ブルデー+トロ・ロッソ | 690kg | ▲20kg | ※ |
16 | ピケ+ルノー | 697kg | ▲27kg | ※ |
17 | クビツァ+BMWザウバー | 659kg | ▽11kg | |
18 | スーティル+フォース・インディア | 648kg | ▽22kg | ☆ |
19 | グロッグ+トヨタ | 652kg | ▽18kg | ☆ |
20 | フィジケラ+フォース・インディア | 679.5kg | ▲9.5kg |