トルコGP金曜記者会見
Q.ポール・ディ・レスタはドイツ・ツーリングカー選手権出身という変わった背景の持ち主ですが、ここまでよくやっていますね?
ロバート・フェンリー(以下、フェンリー)2009年にノルベルト(ハウク)やマーチン(ウィットマーシュ)とポールについて話し合い、翌年のプログラムを立てたんだ。彼をDTMに出させたのはノルベルトだった。レース感を養ってもらいたかったからだ。マクラーレンもシミュレーターを使わせるなど、協力してくれた。ポールにとっては、いいことだったと思う。
Q.残念ながらポイント獲得はなりませんでしたが、中国では二人のドライバーが頑張りましたね?
フランツ・トスト(以下、トスト)予選は二人ともよくて、7番目と9番目のグリッドに着いた。ただ、スタートがいまひとつで、オープニング・ラップを終えた時点で10位と13位に下がっていたんだ。しかもセバスチャン・ブエミはフロントウイングを傷めていた。何かがぶつかってきたせいだ。交換する間に遅れたけれど、そのあとの走りは見事だった。いいペースをキープしていたからね。ハイメ・アルゲルスアリは最初のピットストップまで健闘していたが、こちらのミスで走行中に右リヤホイールが外れ、リタイヤすることになった。
Q.順調ならポイントを獲れたと思いますか?
トスト:9位か10位には入れたかもしれない。ただし、それ以上は無理だったと思う。
Q.これからも同じような流れを続けられるでしょうか?
トスト:ポイント圏内に近いところでは戦えるだろう。今日のフリー走行も悪くなかった。予選では、上手くするとQ3まで進めると思う。ドライバーもチームも頑張っているので、入賞はじゅうぶん可能だ。
Q.ケータハムを買収したのは、いいニュースですね?
マイク・ガスコイン(以下、ガスコイン)F1チームとは直接かかわりのないことだが、チーム・ロータス・グループとしてはよかったと思う。これで、一層ロータスらしい特徴が出るだろう。
Q.中国GPから、チームが本領を発揮しはじめたようですが?
ノルベルト・ハウグ(以下、ハウグ)それまでの2レースよりは、ずっとよくなっていた。ただし、たとえばセバスチャン・フェッテルが2回のピットストップという作戦をとってペースを抑えていたから速く見えたという面もある。いろいろな要素が関係しているんだ。燃料の問題もあって、ニコ(・ロズベルグ)は終盤にペースを落とさなければならなかった。その結果、表彰台には立てず、5位でレースを終えることになったわけだ。ともかく、ニコもミハエル・シューマッハも確実に状態が上向いていることは確かだろう。
Q.現在、レッドブルとの力関係をどう見ていますか?
マーティン・ウィットマーシュ(以下、ウィットマーシュ)エイドリアン(・ニューウェイ)とレッドブルは素晴らしい仕事をしている。ほんとうに手強い相手だ。いまのところ、みんながレッドブルとマクラーレンは互角で、メルセデス、フェラーリ、ルノーにも対抗する力があるといっている。いずれも優秀なチームだ。体制も人材もドライバーも優れており、どこが優位に立ってもおかしくない。だから、開発の手を緩めることはできないだろう。それだけのチームがしのぎを削るのは、F1にとってすばらしいことだ。それでも、今はレッドブルが一歩抜きん出ており、これからも全力をあげてその地位を守ろうとするだろう。
Q.中国GP後、KERS(カーズ=Kinetic Energy Recovery Systemの略。運動エネルギー回生装置)の改良に力を入れていたということですが?
クリスチャン・ホーナー(以下、ホーナー)それは事実だが、担当しているのはチームの一部だけだ。マーティンも言ったとおり、すべての面で開発努力を続けている。マシンの性能をすこしでも上げようと全力をつくしているわけだ。しかし、もちろんKERSが今の私たちにとって重要な課題であることは間違いない。
Q.フォース・インディアも、上位チームとの開発競争に加わらなければならないわけですが?
フェンリー:もちろん私たちも立ち止まっているつもりはない。昨年は、終盤に方向性を見失ってしまった。しかし冬の間に問題点を明らかにすることができたので、今は2010年と同じマシンを順調に走らせている。スペインとモナコに新しい空力パーツを持ち込み、2011年仕様に近づけていく予定だ。それで、少しでも上位チームに迫れるのではないかと期待している。
Q.金曜にダニエル・リカルドを走らせているのは、来年を見据えてのことでしょうか?
トスト:金曜の午前中は、リカルドがトロロッソの1台に乗っている。チームやサーキットについての知識を蓄え、マスコミの対応にもなれて欲しいと思っている。それはもちろん、2012年から正ドライバーとしてチームに加わってもらうためだ。
Q.その時期が早まる可能性は?
トスト:今のところは、予定していない。
Q.シーズン後半からKERSを導入することはないのでしょうか?
ガスコイン:小さなチームなので、かなり難しいだろう。シャシーにも、相当な変更を加える必要がある。それよりも空力など、ほかの分野に力を入れたほうがいいというのが私たちの考えだ。まず、前に追いつくことが先決だし、そのためには大変な努力を払わなければならない。ここまで、大きく進歩してきたとは思うが、まだ先は長い。KERSについて考えるのは来年ということになるだろう。
Q.この先、勝てるようになるでしょうか?
ハウグ:いまのところは、まだそこまで達していない。もちろん勝つことが目標ではあるが、まだ現実的ではないだろう。周りには強敵がひしめいている。地に足をつけて開発を続けることが重要だ。追いつくには、もうすこし時間がかかる。もちろん、ポテンシャルはあると信じているし、中国でもその片鱗を見せることができた。まずは安定して3〜4位を争える状況をつくり、それからさらに上を目指すことになるだろう。
Q.ハミルトンと(ジェンソン・)バトンは上手くつきあっていますか?
ウィットマーシュ:コース上でライバル関係にあるのはむしろいいことだろう。もちろん、どちらも負けたくないと思っているはずだ。ただ、マシンを降りれば、お互い素直に話をしている。データを隠すようなことはないし、冗談を言って笑いあう関係だ。二人ともイギリス人だから、理解しやすいのだと思う。今のところは、何の問題もない。互いの能力を尊重しており、激しく争うのはコース上だけのことだ。
Q.これまでで最高のコンビだと思いますか?
ウィットマーシュ:人間関係という意味では、非情にいい状態だと思う。わざわざ私が説明しなくても、二人の様子を見れば判ることだ。マクラーレンのホスピタリティでは、一緒にいる姿をいつでも見られる。べつにそうしろと指示しているわけではなく、自然ななりゆきだ。
Q.今日、セバスチャン・フェッテルがアクシデントに見舞われましたが、どんな状態ですか?
ホーナー:あれは予想外のできごとだった。ちょうど雨が強くなっており、ターン8の立ち上がりでコースから飛び出してしまったんだ。幸いドライバーにケガはなかったが、マシンのダメージはかなり大きく、午後の走行までに修理を終えることができなかった。