モナコGP 水曜記者会見
木曜恒例のドライバー記者会見は、モナコの変則スケジュールで水曜日に行なわれた。
今回はルーベンス・バリチェロ(ウィリアムズ)、ジェンソン・バトン(マクラーレン)、ニック・ハイドフェルト(ルノー)、ニコ・ロズベルグ(メルセデス)、ミハエル・シューマッハ(メルセデス)、ヤルノ・トゥルーリ(ロータス)が参加。
Q.2005年にはここで2位に入っており、ルノーもモナコに強いと言われています。今回の見通しはどうでしょう?
ニック・ハイドフェルト(以下、ハイドフェルト):楽しみなレースだよ。ルノーはこの2年間、モナコで健闘してきたからね。ロバート(・クビツァ)は去年2番目のグリッドから表彰台に立った。ルノーでモナコを走るのは初めてだけど、うちのマシンは荒れた路面に強いから、きっといいレースができると思う。
Q.モナコには10回出場して9回も完走しています。安定した成績の理由を教えてください。
ハイドフェルト:ガードレールに突っ込まないことだよ。そんなに完走率がいいとは、自分でも知らなかった。ここでは荒れた展開になることが多くて、劣勢のマシンでもポイントを獲るチャンスがあるから、まず完走することが大事なんだ。
Q.タイヤが鍵になるということですが?
ハイドフェルト:今年はどのレースでもタイヤが重要な役割を果たしてる。今回は初めてスーパーソフト・タイヤを使うことになってるし、テストで試してからかなり時間が経っているから、どんな挙動をするか楽しみだよ。1回目と2回目のフリー走行で、そのあたりを確認したいね。
Q.地元のレースで、コースのすぐそばに卒業した学校があるということですが?
ニコ・ロズベルグ(以下、ロズベルグ):だから、僕にとっては特別なレースなんだ。学校はこの建物のすぐ上にあるんだ。同窓生もみんな楽しみにしているだろうし、コースは大好きで、これまでいい結果を残してきたんだ。今年もいい戦いができそうだよ。
Q.モナコ攻略の秘訣は?
ロズベルグ:慎重さと攻めの姿勢をうまく併せ持つことだろうね。こういう公道サーキットでは攻めないと速く走れないけど、同時にミスを犯すことも許されない。マシンを正確にコントロールすることが重要なんだ。それが面白いところでもあるけどね。この3年間、6位が続いたから、今年はそれよりいい成績を残したい。どこまでやれるか判らないけど、予選が上手くいけば、これまでより前のグリッドからスタートできる。今年はピットストップの回数が増えると思うけど、予選結果がよければ、当然チャンスは大きくなる。モナコのようなコースでも、レース展開はこれまでより活発になるはずさ。
Q.2004年に優勝していますが、ここで勝つのは、さぞ気持のいいものでしょうね?
ヤルノ・トゥルーリ(以下、トゥルーリ):モナコ自体が特別なれだからね。だれでもここで勝ちたいはずさ。2004年にはその幸運をつかむことができたんだ。こうしてまた戻ってきたわけだけど、モナコの公道サーキットは大好きだし、これまでいいレースが多かったんだ。
Q.先週のスペインGPも好調でしたね?
トゥルーリ:決勝までは、なかなか厳しかったよ。レースで逆転することができたのは幸運だよ。新しいパーツが効果を発揮して、前のチームとの差は急激に詰まってる。去年までのライバルを周回遅れにしてしまったほどなんだ。中団のチームと渡り合うために、これからもっと前進しなければならないね。前回はレースの半分ぐらい、そういうチームと競り合うことができた。そのあと後退してしまったのはタイヤが消耗したからなんだ。まだタイヤで苦しんでいるけど、チームはすごくいい仕事をしていると思う。
Q.ここはずいぶん性格の違うサーキットですが、おなじように戦えるでしょうか?
トゥルーリ:おなじか、むしろそれ以上だろうね。ここまで、ずっと状態は上向いてきた。モナコでは何が起こっても不思議ではないし、まったく予測がつかないよ。それでも、今は勢いがあるから、バルセロナよりさらにいいレースができるんじゃないかな。ただ、木曜の走行がおわるまでは、マシンの状態も判らないよ。ここではポール・ポジションからスタートしたことも、最後尾に並んだこともある。狭い公道サーキットだから、予選の結果は特に重要だろうね。
Q.ここでは5勝し、7回もフロントローにならんでいます。どんな意味のあるレースですか?
ミハエル・シューマッハ(以下、シューマッハ):たぶんみんな同じだと思うけど、モナコGPはシーズンのハイライトで、気合が入るんだ。今年はこれまでと作戦面で大きな違いがあるだろうね。うちのマシンがここでどんな走りをするかも、まったく予想できない。だからレースの行方を占うことは、まだ不可能さ。トルコ、スペインと状態が上向いているけど、今回だけは、コースがコースだし、なんとも言えないよ。
Q.スペインではニコが真後ろに迫っていましたね?
シューマッハ:バックミラーいっぱいに写っていたし、ちょっとしたバトルもあった。だけど、二人とも冷静だから、ぶつかるような真似はしない。なかなか楽しいレースだった。
Q.やはりここで優勝経験がありますが、去年は上手くいきませんでしたね?
ジェンソン・バトン(以下、バトン):勝った時も、ここではずっと表彰台に立っていなかったから、まず3位以内を目指していたんだ。2位に入賞してから勝つまで、5年もかかったよ。最後の200メーターは、これまででいちばん楽
しい経験だったね。
Q.今はモナコに住んでいないのですか?
バトン:父親がいるから、特別なレースであることに変わりはないよ。もちろん、勝ちたいと思ってる。いつも勝ちたいけど、ここはまた別なんだ。たぶん、先頭を走っていても安心できないからだろうね。精神的に、ものすごいストレスがあるんだ。78周のあいだ、コースがだんだん狭くなってくるような感じがするんだ。それだけに、勝ったときの喜びは格別だよ。個人的には、予選がいちばん熱くなる。ポール・ポジションを獲ると、優勝したのとおなじぐらいの満足感が得られるから。燃料をすこししか積まずに、新品のタイヤを履いてガードレールぎりぎりのところをかすめていく感覚は、なにものにも比べられないんだ。だから、土曜も日曜とおなじように楽しいよ。
Q.ウィットマーシュ(チーム代表)はタイトなバルセロナの第3セクターが速かったのは、モナコに向けていい材料だと言っていましたが?
バトン:トルコもそうだったね。すぐそばにガードレールが迫っているかどうかだけの違いだろうね。やってみないと判らないけど、おそらくマシンのコースの相性はいいと思うし、KERS(カーズ=Kinetic Energy Recovery Systemの略。運動エネルギー回生装置)も威力を発揮してくれるんじゃないかな。
Q.モナコGPには18回も出場しており、地元のレースのようなものでもありますね?
ルーベンス・バリチェロ(以下、バリチェロ)ヨーロッパでの拠点になっているから、特別なレースだよ。ただ、1993年に初めて来た時は、こんなサーキットでF1を走らせるなんて、とんでもないと思ったけど、いまはジェンソンとおなじように土曜の予選を楽しみにしてるんだ。
Q.マシンのセッティングに関して、ここでもっとも重要なことはなんでしょう?
バリチェロ:トラクションをできるかぎり高くすることだと思う。もちろん、バランスも大切だよ。アンデーステアでもオーバーステアでも、上手く走れない。グリップが低い中でも、とにかくバランスを重視してマシンを仕上げることだね。今年はタイヤがかわるから、なおさらトラクションが鍵を握ってるよ。
Q.今年の初ポイントを獲れると思いますか?
バリチェロ:チャンスはある。タイヤの関係で以前ほどではなくなったといっても、入賞するためには、予選でできるだけいい結果をだしておかなければならないんだ。開幕前の見通しは明るかったんだけどね。ここまでポイントを獲っていないのはすごく淋しいよ。このあたりで流れを変えたいね。