「僕は彼からワールドチャンピオンを取り上げたんだ」(ロズベルグ)–アブダビGP決勝会見から
ハミルトンの後ろでじっと待ち続けた。待って待って待ち抜いたワールドチャンピオン。父ケケ・ロズベルグとの親子ワールドチャンピオンを獲得した直後のニコ・ロズベルグ。
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—-ニコ、今、あなたがチャンピオンです。誰があなたを導き、プッシュし、チャンピオンシップを勝ち得たでしょう。
ニコ・ロズベルグ(以下、ロズベルグ):世界中のみんなが僕をサポートしてくれたよ。テレビで観ているすべての人が僕をサポートしてくれたし、レースを観に来てくれた全員、この週末も、ドイツから、そして世界中から多くの人がきて、週末を通してサポートしてくれたんだ。本当に、スペシャルだよ! 素晴らしい気分だし、とても特別な気分だよ。僕はみんなに感謝してるよ。そして、もちろん、僕の知人、レーシングファミリーであるチーム全員にね。
2010年にメルセデスに加わって、最初は乗りにくかったけど、ここ数年はとても良くなったし、そして、今日は僕にとって良かった! 本当に本当に素晴らしいね! 僕のレーシングファミリー、メルセデス、僕の家族、そして一緒に働いている僕のチームのみんなに大きな感謝をしてるよ。みんなここにいるんだ。今日までの道のりは、とても長かったね。
10歳の時からのカートのエンジニアがフランス選手権を闘っていた記憶、そしてモチベーションのストーリーについて書いて送ってくれたんだ。そこから毎年、今日の成功まで積み上げてきたんだ。僕には多くの重要なメンター達がいる。もし、彼らに一言いえるなら、僕はそうしたい。カート時代、F3時代、Formula BMW時代、GP2に参戦してからは、僕をF1に引き入れてくれた人たち、F1に来てからは、ウィリアムズでのフランク・ウィリアムズ、サム・マイケル、パトリック・ヘッド、メルセデスに招いてくれたノルベルト・ハウグとロス・ブロウン、ニック・フライに感謝している。
歴史はそこから始まったんだ。そして、もちろん、トト・フォルフとパディ・ロウ、ニキ・ラウダには特にありがとうと言いたい。今日、僕をここに連れてきてくれたんだ。
—-おめでとう、ニコ。木曜日、ルイスは2014年の最後の晩、寝れなかったと言っていました。この週末、あなたはすべてのプレッシャーとともにどのように過ごしていましたか?
ロズベルグ:週末全体が不透明だったかもしれない。もちろん、僕はとても厳しいメディアから自分自身を守る必要があったから、すごく、すごくタフな週末だった。多くの時間、楽しむことはできなかったし、特にレースはね。例えば、フェルスタッペンとはとてもタフだったし、レースの最初から最後まで良いことはなかったよ。
—-ニコ、本当におめでとうございます。ドイツでは、今まさに、新しいチャンピオンを祝福しているでしょう。フィンランド、そして、あなたの父親にとって、この栄光は、どれほどのことでしょうか?
ロズベルグ:今や2人のロズベルグがワールドチャンピオンということだよ。素晴らしいことだよね。ゴメン、質問はなんだっけ?
僕は、フィンランドのパスポートも持ってるし、僕をサポートしてくれてたフィンランドのみんなもハッピーだといいね。フィンランドのサポートは非常にありがたい。もちろん、僕はフィンランドの血が入っているし、すごく誇りに思っているよ。これからもそうだよ。
—-ニコ、ルイスは自分がレースをリードしているので、レースベースを握る権利をもっていると言っていましたが。
ロズベルグ:それはとても単純なことだよ。チームの視点も理解できるし、ルイスの視点も理解できる。そういうことさ。
—-ニコ、昨夜は寝れましたか?
ロズベルグ:少しばかりね。うまくやりきったよ。
—-あなたの家族、両親はどこに隠れているのでしょうか?
ロズベルグ:妻はここにいるよ。娘はホテルに帰ってる。
—-母親と父親は?
ロズベルグ:母親はガレージにいるよ。父親もココに来るよ。
—-彼らはどこにいたのでしょう?
ロズベルグ:わからないよ。今、彼らはここにいて、隠れていたんだ。
—-いつから隠れていたんでしょうか? あなたは彼らがまわりにいることを望んでいなかったのですか? どうでしょうか?
ロズベルグ:僕はまだ彼をみていないんだ。彼にとってはとても厳しかったと思うから、彼に会うのが待ちきれないよ。
—-今シーズン、ほとんど気を散らしたようには見えませんでした。シーズン序盤のインシデントの時も集中力を保っていたようですね。これは、タイトルとともに大きな成果だといえますか?
ロズベルグ:確かに、それは自分自身でやった継続的なアプローチなんだ。誰もが自分のやり方があるよね。僕にはこれがベストと感じているよ。僕は本当にハードに集中することを学んだんだ。シーズン中ずっと集中し続けることで多くの犠牲を払ったけど、それが助けてくれたことは確かさ。
—-ニコ、おめでとうございます。あなたの父親は明らかに潜んでいましたね。最後の数日、姿をみせませんでしたし、最後数か月もです。
ロズベルグ:毎土曜の夜、彼からメッセージを貰っていたよ。一番多かったのは、”アクセル全開、フル・ブレーキ、!マーク”、これが毎週末の彼のアドバイスさ。母はプライベートの面で、父はキャリアを登っていくために、いつも全面的にサポートしてくれた。それは、とても大きかったよ。彼は僕にどのように進めるか、どのように戻るかという点で良かったよ。それはとても良いことだし、僕たちと僕にはうまくいった
し、正しかっったねから、本当に感謝しているよ。少しだけ引くのが彼のやり方さ。
し、正しかっったねから、本当に感謝しているよ。少しだけ引くのが彼のやり方さ。
—-ニコ、おめでとうございます。今日の勝利の後、あなたの人生は変わるか?です。
ロズベルグ:OK。あと数日はとてもクレイジーだと思うよ。でも、すべてが楽しみ。今夜は大騒ぎさ! その後は数日間何も出来ないだろうね。わかんないよ。
—-時に攻撃は最大の防御なりと言います。あなたはルイスがゲームをしていることに気づいた時、アタックしようと思いましたか? 最後はセバスチャン・フェッテルが過去にしたように、フェッテルを使ってプレッシャーをかけようとしましたか?
ロズベルグ:ルイスは彼の持つスキルのすべてを使ってやっていたよ。完璧だったね。間違いなく僕は追い抜く方法はなかったし、もちろん、僕は考えたけど、無意味だったよ。彼はうまいやり方で、パーフェクトにやったよ。
—-ニコ、おめでとうございます。あなたは、昨シーズンから続けてとても強くなりました。去年、最後の数レースを勝ち、6回のポールポジションを獲りました。シーズンを跨いで強かったことはどのくらい重要でしたか?
ロズベルグ:たしかに重要なターニング・ポイントだったね。昨年、オースティンでひどい経験をして、僕は2日間自分自身で考えたんだ。もう、2度とこんな経験はしたくない。そして、僕は7レース続けて勝ったのは、今日ここにいられることの重要なひとつのキーだね。
—-ニコ、来年、カーナンバー1を使うことができますが、親しみのあるナンバー6を使い続けますか?
ロズベルグ:まだ、わからないよ。もちろん、僕はナンバー6が大好きさ。僕の父も同じナンバー6でチャンピオンシップを勝った。僕たちにとってのラッキーナンバーだよね。そうするか、まだわからないよ。
—-ニコ、オフシーズンのプランを教えてください。
ロズベルグ:ペトロナスのためにマレーシアに行って、そこで彼らとお祝いをするよ。それが最初のフライトだね。それで、できるだけ家族との時間を過ごしたいね。でも、完全にクレージーだよ。今やどこにでも行けるけど、それは一部だし、楽しみにしてるよ。僕はこの瞬間を最大限に使いたいね。
—-あなたはルイスに勝ちました。彼はF1の歴史の中でベストなひとりと考えられています。あなたにとって、どんな意味があるでしょう。
ロズベルグ:僕は彼とずっとレースをしてきたし、カートの頃から、彼は僕を追いやってタイトルを得てきた。彼は素晴らしいドライバーだし、もちろん歴史上ベストなドライバーのひとりだよ。だから、彼を負かしたことは信じられないくらい素晴らしいね。なぜなら、レベルはとても高いし、この結果は僕を本当に、本当に満足させてくれるよ。なぜなら、ベンチマークだし、僕は彼からワールドチャンピオンを取り上げたんだ。本当に素晴らしい気分だよ。素晴らしい1年だった。彼はすごく高いレベルでドライブするし、いくつか信じられないレースをする。彼はすごく、すごくタフな相手だよ。最終的に何ポイント離れたかわからないけど、5ポイント? 信じられないね。同じクルマだよ!
—-プレッシャーの中、ホイールtoホイールで2つのコーナーを抜けてマックスをパスした時に何を思いましたか?
ロズベルグ:本当にグレートだし、彼はフェアだったね。とてもアグレッシブだったし、1インチも与えてくれない。でもいつもフェアさ。僕たちは衝突しなかったし、抜いた時は素晴らしい気持ちだったよ。これまで、こんな気持ちは感じたことなかったよ。
—-ニコ、アラン・プロストは、あなたに対してドライバーとして賞賛に値しないと言っていますが、同意しますか? 今や、別の面で見られているでしょうか?
ロズベルグ:僕は賞賛のためにドライブしてないよ。ワールドチャンピオンになるためにドライブしてるんだ。そして、僕は達成した。ワールドチャンピオンになるのが子供時の夢だったし、やりとげたよ。僕はすごい興奮してるし、僕をサポートしてくれたすべての人と祝えるのを楽しみにしてるよ。
本当にありがとう。今シーズン、ありがとう!!
【翻訳:Masataka Hoshi】
Photo by MERCEDES AMG PETRONAS Formula One Team