イギリスGP 木曜記者会見
木曜日恒例のドライバー記者会見。今回は、
ルーベンス・バリチェロ (ウィリアムズ)、ジェンソン・バトン (マクラーレン)、ポール・ディ・レスタ (フォース・インディア)、ルイス・ハミルトン (マクラーレン)、ダニエル・リカルド (HRT)が参加。
ダニエル・リカルド (以下、リカルド):今年はF1のレースに出場できると思っていなかったから驚いたし、最高のバースデー・プレゼントだったよ。ものすごいチャンスだし、まだ信じられないぐらいだけど、日曜にはそれが現実になる。
Q.前回、シルバーストンを走ったのは確か昨年9月のルノー・ワールド・シリーズで、その時はクラッシュし、逆さまになっていました。そこでF1デビューを果たすというのは複雑な心境ではありませんか?
リカルド:そういう面もあるけど、2008年にはフォーミュラ・ルノーでいいレースをしてるから問題ないよ。それにイギリスのベースが近くて、今週末は自宅からサーキットに通えるんだ。とにかく、今は楽しみにしてるよ。
Q.イスパニアは戦闘力が高いとは言えませんが、今回の目標は何でしょう? 当面のライバルは、チームメイトのトニオ・リウッツィということになりますが?
リカルド:今は子供のころからの夢が叶った喜びの方が大きいんだ。目標は完走して経験を積むことだね。こんなに長いレースは初めてだから、精神的、肉体的に自分の状態を試すいい機会になる。トニオ(リウッツィの愛称)は経験豊富だし、ライバルというよりも、いろいろなことを学ぶお手本になってくれるんじゃないかな。
Q.F3時代からずっと走ってきたシルバーストンですが、最新の状況をどう思いますか?
ルーベンス・バリチェロ (以下、バリチェロ):天気だけは相変わらずで、かならず一度は雨が降る。まあ、それも味だろうね。最新の設備は素晴しいし、コースそのものも世界最高だと思う。今回の改修でインフラもアジアのサーキット並みになったよ。
Q.ここでは優勝経験があり、表彰台に6回も立っていますが、ウィリアムズに乗る今年はどうなると思いますか?
バリチェロ:レギュレーションに変更があっても、上位を争うのはやはりレッドブル、マクラーレン、メルセデス、フェラーリの4チームだろうね。それでも、ウィリアムズのようなチームが前に近づくきっかけにはなるかもしれない。フロントウイングなどの新しいパーツも効果を発揮してくれるはずだから、予選でQ3に進み、決勝では8位以内に入ることが目標だよ。
Q.来年からウィリアムズがルノー・エンジンを使うことになりましたが?
バリチェロ:すごく楽しみだよ。ウィリアムズが本気で上位を目指している証拠だろうね。先週は2回工場へ行って、いろいろな人たちと話し合ったんだ。チームはだんだんまとまってきたし、一丸となって上を目指してる。
Q.イギリスGPはこれで12回目ですが、これまでの最高位が4番手ということで、ぜひ勝ちたいと思っていることでしょうね?
ジェンソン・バトン (以下、バトン):F1では、まだ表彰台にも立っていないんだ。まずはそれが目標だけど、もちろん地元で勝てれば最高だろうね。ファンも喜んでくれるはずさ。コースサイドはユニオン・ジャックやイングランドの旗でいっぱいになって、すごい声援を受けて走るから、もちろん気合が入るよ。
Q.新しいレギュレーションにより、勝つチャンスはこれまでより大きくなると思いますか?
バトン:チャンスは常にあるよ。前回のレースではレッドブルにずいぶん水を開けられていたけど、今回も新しいパーツが届くし、ディフューザーの変更も有利に働くかもしれない。走ってみれば、そのあたりもハッキリするだろうね。重要なのは、今回も全員が力を合わせて準備してきたということなんだ。厳しい状況だけど、きっとこれまでの努力が実を結ぶものと信じてる。
Q.ルイス(ハミルトン)の今後について、いろいろな憶測が飛び交っていますが、あなた自身はいかがでしょう?
バトン:これからのことについて、マーティン(・ウィットマーシュ)とじっくり話し合ったんだ。来年についてはオプション契約がある。マスコミはあれこれ書きたててるけど、まだ先のことを思い悩む時期じゃない。まずは、このレースに勝つことさ。先のことはもっと後になってから考えればいい。当面はチームに満足してるよ。レッドブルには遅れをとってるけど、それでも戦える状況だからね。十分な開発努力を重ねていけば、きっと逆転できるさ。
Q.地元のレースということになりますが、ドニントン・パークやブランズハッチなど、他にも馴染みは深いサーキットはたくさんあるでしょう? シルバーストンについての感想を聞かせてください。
ポール・ディ・レスタ (以下、ディ・レスタ):今週末は、僕のレース人生でいちばん大きなイベントになると思う。ここにもジェンソン、ルイスと、イギリス出身の世界チャンピオンがふたりいるし、コースの設備は見違えるようになったんだ。作業としてはいつもと変わらないけど、
とにかく重要なレースってことは間違いないよ。
Q.去年も金曜に走っていますが、それ以前はショートコースで一度レースをしたことがあるだけですね?
ディ・レスタ:たしかに、あんまり馴染みはないね。早いうちにヨーロッパへ活動の場を移したから、ここでは1回レースをしただけなんだ。BRDCの賞をもらってショートコースでF1マシンに乗ったことの方が印象に残ってるんだ。しかもそのあと、シルバーストンはずいぶん変わったからね。マシンの限界を超えるような高速サーキットで、簡単なコースじゃないけど、先週シミュレーターを使って練習した効果が出てくれると期待してるよ。
Q.今シーズン、これまでの内容には満足していますか?
ディ・レスタ:悪くないスタートだったと思う。もちろん波はあったけど、客観的に見てまずまずだったし、チームメイトに対しても互角の戦いをしてきたからね。だけど、これからは知らないサーキットでのレースもたくさなるから、楽な展開にはならないだろうね。すこしずつ経験を積んで、成長していきたい。
Q.2007年にポール・ポジションを獲り、2008年も活躍しましたが、シルバーストンはどんなサーキットでしょう?
ルイス・ハミルトン (以下、ハミルトン):初めてここでレースをしたのはカートだから、ずいぶん前から知ってるし、いい成績を納めたこともある。2001年と2002年にはフォーミュラ・ルノーでも走ったんだ。生まれ育った場所からも遠くないから、もちろん特別なサーキットだよ。しかも今年は、設備がすごく充実してるからね。ここへくるだけで、いつも気持が昂ぶるんだ。今年はぜひ、そんな気持にふさわしいレースにしたいよ。
Q.レギュレーションの変更がどんな影響をおよぼすのか、ファンはたいへん興味を持っていると思いますが?
ハミルトン:変化があればいいと思ってる。エンジンの仕様が、フェラーリやルノーとは違うから、その違いが出る可能性もあるだろうね。どこがもっとも大きな影響をうけるか、なかなかの見ものだよ。チームは新しいレギュレーションを理解するために全力をつくして、新しいパーツを持ち込んできたんだ。これで優位に立つことができればいいんだけどね。コースとの相性はすごくいいから、ぜひそれを結果に結び付けたよ。