日本GP 木曜記者会見
木曜日恒例のドライバー記者会見。今回は、ジェローム・ダンブロジオ(ヴァージン)、ジェンソン・バトン(マクラーレン)、ポール・ディ・レスタ(フォース・インディア)、小林可夢偉(ザウバー)、ヘイキ・コバライネン(チーム・ロータス)、セバスチャン・フェッテル(レッドブル)が参加。
Q.今週は大事なレースですが、今の心境は?
小林可夢偉(以下、可夢偉):日本人だから、たくさんのファンが応援してくれますし、もちろん特別に楽しみな一戦です。鈴鹿は素晴しいサーキットで、僕も誇りにしてます。走っていてすごく気分がよくて、レースも盛り上がるんです。F1を楽しみにしてくれる日本のファンのためにも、頑張りたいですね。
Q.ここでのレース経験が少ないというのは意外ですが?
可夢偉:たぶん、まだほとんどレースをしたことがないですね。今回が3回目。去年のレースは2回目でした。
Q.初めての時は17才だったということですが。
可夢偉:はい。17才のときに1回だけレースをして、すぐにヨーロッパへ渡りました。僕は日本人だけど、鈴鹿のことは僕よりよく知っているドライバーが大勢います。
Q.今回はマシンに大幅な改良が施されているということで、晴れになるという週末の天気予報を聞いてホッとしているのではありませんか?
可夢偉:かなり手を加えたマシンで走ることになります。おそらく、これが今シーズン最後の変更になるはずですが、同時にいちばん大きな改良でもあります。このサーキットは空力が重要なので、新しいパーツの効果が出れば、すごく有利だと思います。良い結果が期待できるので、初日から調整に力を入れる予定です。
Q.ファンの注目を浴びることになりますが、それは力になりますか?それともプレッシャーでしょうか?
可夢偉:力になると思うけど、マシンがよくなればそれ以上に心強いです。ただ。ここは難しいサーキットで、1周を通していい走りをするのは大変なんですよ。レースでは、ちょっとしてミスで大きくタイムをロスしてしまいますから。それもマシンが仕上がってさえいれば、問題ないと思います。
Q.ここは難コースですが、すくなくとも走った経験はありますね?
ジェローム・ダンブロジオ(以下、ダンブロジオ):難しいけど、ベルギー出身の僕がスパと比べたくなるほどいいコースなんだ。個人的にはスパ以上かもしれないね。去年フリー走行で15周ほど走ったのが役立つはずさ。
Q.来年のことは決まりましたか?
ダンブロジオ:いまのところベルギーGPのころとおなじで、どうなるか判らないよ。とにかく今は最後の5レースに集中するだけだよ。
Q.あなたにとっては初めての鈴鹿ですね?
ポール・ディ・レスタ(以下、ディ・レスタ):見るからに特別なサーキットだね。今朝歩いて感じたのは、狭いけれど高速ということだね。上手く走れるといいんだけど。ルノーと勝負できるようにしたいね。
Q.このところの好調を継続できると思いますか?
ディ・レスタ:もちろん。シンガポールでもいい結果が出たから、おなじようにいくだけだよ。(エイドリアン・)スーティルは鈴鹿の経験も豊富だし、いろいろ教えてもらえるだろうね。
Q.過去の実績から見ても相性のいいコースですね?
ヘイキ・コバライネン:今回もいいレースにしたいね。チームにとってはランキング10位をキープすることが重要なんだ。前のチームとの差は大きいけど、できるだけ近づけるように頑張りたい。
Q.複数年契約での残留が決まりましたが、どんな気持ですか?
ジェンソン・バトン(以下、バトン):決まってホッとしてるよ。レッドブルとの差はわずかだし、来年以降はもっといい勝負ができるだろうね。
Q.鈴鹿では11回も完走と言う素晴しい記録を持っていますね?
バトン:あとは勝つだけだよ。スパやモナコと並んで特別なサーキットだから、ぜひとも好結果を残したいね。今回も、もちろん優勝を狙っていくよ。実際にそうなるかどうかは、明日走ってみないと判らないけれど、特別な不安材料はないよ。
Q.ここ2〜3レースでは、レッドブルと互角の仕上がりでしたが?
バトン:対等に勝負ができたし、こちらの方が少し上ではないかと思うこともあったんだ。ただ、前回は勝てるところまではいけなかったんだ。ゴールした時の差が小さいからといって、チャンスがあったとはかぎらないね。ここはどちらかというとスパに近くて、ダウンフォースがそれよりすこし強いくらいだから、ウチのマシンにも可能性はあるだろうね。ここは追い越しが難しいサーキットだったけど、ピレリ・タイヤやKERS(運動エネルギー回生装置)DRS(可変リヤウイング)の登場で、そのあたりも変わってくるんじゃないかな。きっといいレースになると思うよ。
Q.2年連続のタイトル獲得が目の前に迫っていますが?
セバスチャン・フェッテル(以下、フェッテル):みんなもう決まったようなものだと言ってるけど、そうじゃないんだ。有利なのは間違いないけど、なにが起こるか判らないのがレースだからね。もちろん、こうなったらここで決めるしかないと思ってる。このサーキットでは過去2年間、素晴しいレースをしているから、今回もその調子でいきたいね。
Q.2年連続でポール・ポジションから優勝しているわけですが、今年もまず予選1位を目指すのでしょうか。過去10年のデータを見ると、75パーセントの確率でポールシッターが優勝していますし?
フェッテル:データではそうなっていても、今年はまた別だろうね。ジェンソンもいっていたとおり、DRSやタイヤといった、レースが動くようになる要素が新しく加わっているからね。去年はピットストップが1回だけという単純なレースだったけど、そうはいかないだろうからね。混戦になる可能性は高いと思う。予選2〜4位のドライバーにもチャンスが出てくるかもしれない。それでも、もちろん予選からトップを狙っていくよ。
Q.同じチームで走ったことがありますが、そのころと比べて何が変わったと思いますか。また、いつかチームメイトになるとしたら、どういう関係になるでしょう?
フェッテル:いろいろと楽しい思い出があるんだ。可夢偉はF3にデビューしたばかりのルーキーだったけど、ポール(ディ・レスタ)もおなじチームにいて、3人一緒に戦ってたんだ。よく憶えてるけど、あるときひとつのコーナーを可夢偉がほかの二人より10km/hも速く走っていたことがあるんだ。どうしてそうなるのか、わけが判らなかったよ。最初から最後まですっとそうだったんだ。ほかのコーナーでは僕の方が速いこともあったから、五分五分だけど、ビックリするようなドライバーであることは今も変わらないよ。みんなが知っているとおり、去年の鈴鹿もそうで、数えきれないほど他のドライバーを追い越していたからね。たぶん、ほかのドライバーには見えない特別なラインが見えることがあるんじゃないかな。それが可夢偉の強みだね。先のことは判らないけど、人間性は変わってないと思う。今はカメラの目があったりしてサーキットであまりお喋りしたりする機会がないけど、だいたい判るよ。おなじチームで走るのはかまわないけど、僕より10km/hも速く走らないようにしてもらいたいね(笑)
可夢偉:とにかく今はマシンが違いすぎるんで。あまりにも違うんで、比べようがないですよ。F3時代も優秀なドライバーだったし、ものすごく真面目だなんです。今もエンジニアと熱心に話し合っているところがよくTVに映ってますね。チームとの関係はすごくいいでしょうね。ポールも含めて、F3時代はすごく仲がよかったです。今もマシンのセッティングに関しては力を発揮してますし、だからこそレッドブルはここまで強くなったんだと思いますよ。