小林可夢偉 レース後会見全録–ベルギーGP
◆上々のレース運び、ポイントも獲得!
—-昨日の”散々な日”のあとの今日、結果は満足できるもの?
可夢偉:まあ、そうですね。レースが無事に終わって、ポイントが取れたということでは、チームにとってもすごくよかったし。
—-今日は、早々とピットインして、タイヤ交換をして、そのあとのペースはとても速かったですね?
可夢偉:そうですね、理由はわからないですけど(クルマの状態が)よくて、すぐに前に追いついたんですけど、ちょっと濡れていて、(前のクルマの走行)ラインに引っかかったときに、タイヤを傷めて──ダウンフォースで(タイヤに)ムリしたというのはあるんですけど。そのあとは、タイヤ温存という方に(戦略を)持っていって。晴れると、タイヤ、ほんとにきびしかったんで。あれが、できる限りの戦略だったというように思ってます。
—-もし雨が降らなかったとしたら、早めに交換したプライム・タイヤで、最後まで走りきれると確信していた?
可夢偉:(フィニッシュまで)行けるとは思ってたんですけど、ただ、いつ雨が降るかわからない状況だったんで、どのタイミングでも、臨機応変に対応できることを狙っていました。
まあ、結果的に、メルセデスの二台は、あのまま晴れてたらピットに入らなければいけなかったんで、そうなれば、ぼくも自動的に前に行けたんですけど。でも、結果的には雨が降っちゃって、それもチャラになってしまいました。
(そういう意味で)最後はちょっと残念(メルセデスの2台に抜かれた)だったんですけど、でも、ぼくもミスなく、チームもミスなく、レースを終えることができました。
—-途中、アロンソをうまく抑えてましたが?
可夢偉:きびしかったです!(笑)タイヤが、ほんと(二車は)違う状況だったんで、あのシーンでは、あれが限界だったと思います。
◆鈴鹿に向けて、”いいクルマ”ができた!
—-レース中に、ドライでの速いペースを見せられたというのは、次以降につながるのでは?
可夢偉:そうですね、単独に、ひとりで走ってたら、いいペースだったんで、鈴鹿に向けては、たぶん、いいと思うんですけど。
ただ、残念ながら、次の二つ──モンツァとシンガポールは、全然(スパや鈴鹿と)違うコースのレイアウトなので、若干(ザウバーには)きびしいと思うんですけど。でも、できるだけ、ポイント取ることをめざして。次の”大きなチャンス”の鈴鹿で、頑張りたいと思います。
—-セーフティカーのあとで、メルセデスの二台、ウエット・セッティングの彼らを抑えるのはむずかしかったですか?
可夢偉:ちょっと(それは)リスキー! 抑えられても、自分がリスクを背負いそうで、ちょっと状況が違いすぎたんで。あれ(彼らを先行させたこと)は、残念ですけどしょうがないなというのが、ほんとの気持ちです。
—-ここへ来て、コンスタントにポイントを稼いでる!
可夢偉:そうですね、チームも、いまの段階では、順調に来てると思います。
—-スパでポイントを取った日本人ドライバーって、23年ぶり、中嶋悟選手以来ですよ?
可夢偉:マジですか?
◆いろいろな経験を積めたレースだった
—-8位という結果については?
可夢偉:こんなもんでしょう!(笑)。いろいろあって、そして、何もなくて終わったら・・・。
タイヤを早く換えちゃったんで、タイヤはボロボロで、周りと競ってたから。タイヤがよかったら(ぼくが)勝ってたでしょう。スーティルに抜かれたのも、(相手が)ニュー(タイヤ)で、勝てるわけないから。あんなに直線が速くて。だから、行かす(抜かせる)しかなかった。
—-もう、トラクションもないし、前も食いつかないし?
可夢偉:そうそう! 前(のタイヤ)はグレイニングが出てるし。
—-アロンソとの競り合いは?
可夢偉:あれは、タイヤ(の状態)が(自分と)同じようなものだったから(問題なかった)。たまたま、周回遅れがいて、それで詰まったから(アロンソに)追われるハメになった。そうでなければ──。
—-トップスピードも、フェラーリはそんなに速くなかったし?
可夢偉:(ザウバーと)一緒(同じ)くらい、だいたい。でも、タイヤはぼくの方が、間違いなくキツかったから。(交換時期は)アロンソは(ぼくより)ずっと後でしょ?
—-そういう意味では、”いいレース”をした?
可夢偉:あそこ(対アロンソ)は、ね! でも、スーティルは、どうしようもなかった。
—-ロズベルクを抜いて前に出たときは、シケインで?
可夢偉:止まれなかった!(笑)あれは、どのくらいかなと、一回行ってみようと思って。やってみたら、止まれなかった。
—-タイヤは痛まなかった?
可夢偉:はい。でも、あとはタイヤを温存して・・・。でも、ニコが(ぼくを)抜きに来るのはわかってたから。でも、ニコは(タイヤ交換で)ピットインしてないから、いつ入るのかなというのを見てました。
—-早めのタイヤ交換のときは?
可夢偉:インター(ミディエイト=溝の浅い軽い雨用のタイヤ)にしようと思ってたんだけど、天気予報では晴れるということだったんで、それならドライにしよう、と。(ドライタイヤは)用意してなかったから(時間は)もったいなかったですけど。
—-クルマはここで”合ってた”として、でも、モンツァは”タイヘン”そう?
可夢偉:もうちょっと、大変そう、ですね(笑)。
—-得意の(笑)ストレートも長いから?
可夢偉:そうそう!(苦笑)
—-今日は、終わりよければ、というレースだったような?
可夢偉:まあまあ、昨日の失敗を取り返せた。ポイントも取れて。
—-経験を積めた、という感じ?
可夢偉:こういう状態で、失敗なくレースを終えたというのは──。
—-チームにとっても?
可夢偉:そうですね。
—-ペーター(ザウバー氏)は、何か言った?
可夢偉:いつも通り。
—-相変わらず、レース、上手いよね?
可夢偉:でも、最後、抜かれたからねえ!(笑)