小林可夢偉 レース後会見全録–イタリアGP
◆ウイングが動かないトラブルは、実はECUの問題だった!
—-レースもせずに終わってしまった感がありますが、どんな状況だった?
小林可夢偉(以下、可夢偉):(コースに)出るときから、フロントウイングがおかしいということで、スペアに換えたんですけど。原因は、ECU(電子制御ユニット)が問題らしくて、もともと。でも、それに気づいてなくて(コースに)送り出されて・・・。それで、ギヤボックスにダメージがでって、終わりです!
—-最初、フラップが動かないということでしたよね?
可夢偉:そうそう、あれがウイングが壊れてたんじゃなくて、ECUが壊れてた。
—-そういう状態で、走ってしまって・・・?
可夢偉:それで(ギヤポックスが)ダメージを負って、ギヤボックスが壊れた。
—-修復はできず?
可夢偉:ギヤ(ボックス)がダメージ負ったから、シフトができなくなった。
—-最初は、シフトができないとして、ピットに戻ってスタートまでに修復しようとした?
可夢偉:そうです。
—-その前に、コースに出て行くのが遅かったけれど?
可夢偉:それは、フロントウイングを換えてたから。直前になって、ウイングが動かなくなって。それは(実は)ECUが壊れてた。
—-ピットに戻ってきたときに、ギヤボックスにダメージがあったというのは、エンジニアはわかってたみたい?
可夢偉:(頷く)
—-じゃピットスタートで出て行ったときは、半ば”ダメモト”で走り出した?
可夢偉:(頷く)
—-スタートして行ったときには、一応、シフトは動いていた?
可夢偉:そうですね。4速がダメージ負ってたから、4速に入れた瞬間に抜けちゃうわけです。
—-どこで止まってしまった?
可夢偉:レズモの二個目。
◆乗り込む前に、トラブルを発見
—-ピットスタートで出て行ったときのタイヤは?
可夢偉:覚えていないです。たぶんプライムです。
—-もしトラブルがなければ、プライムで、できるだけ長く走るという作戦だった?
可夢偉:(頷く)
—-レズモからは、バイクで戻ってきた?
可夢偉:そうです。
—-レズモからは遠いですから歩いては戻れない。そのあとは、ガレージに?
可夢偉:最初はここ(モーターホームで)、着替えてボーッとしてましたね。
—-フロントウイングがおかしいということになったのは、いつ?
可夢偉:走る、五分前に!
—-クルマには?
可夢偉:(ぼくが)乗る前ですね。そこで、ウイングを交換した。チェックをしたときに、交換が必要ということになったんじゃないですか。だから、乗る前に換えてます。
—-フロントウイングとECUの関係というのは?
可夢偉:知らないです。
—-フロントウイングがおかしくて?
可夢偉:だから、もともとECUがおかしいんだけど、フロントウイングが動かないから、ウイングのせいだと思ってウイングを交換して・・・。そのECUのトラブルがギヤボックスに来て──。”電気”って、全部やってる(関係してる)じゃないですか。
◆”長いレース”をじっくり闘うはずだったが・・・
—-この種のトラブルは、いままでは?
可夢偉:たぶん、初めて。わかんないです、何が原因か・・・。
—-一番苦手なコース(モンツァ)でトラブルというのは、むしろ、よかったかも?
可夢偉:いや、(今回、ここでは確実に)ポイント取れてましたからね!
—-予選で直前にいたシューマッハが9位だったし。いまさらだけど、クルマが動いていたら、作戦としては、オプションで行けるところまで行って?
可夢偉:いや、わからないです、それは、走ってみないと。何もわからないです。
—-スタートしたときのポジションでそれを決める、と。
可夢偉 ですね。
—-今日は”長いレース”になるって、言ってたのに!
可夢偉:短かった!(笑)
—-予選でもうまく行き、今後につなげられそうなものは何かあった?
可夢偉:(何も)ないです! (レースは)結果だけなんで。
—-残りのレースで、ここみたいに(ザウバー車が)”辛そうな”ところは?
可夢偉:シンガポール。