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カナダGP金曜FIA記者会見

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後列左から、S.マイケル(ウィリアムズ)、P.ロウ(マクラーレン)、A.グリーン(フォース・インディア)、E.ブーリエ(ルノー)、P.フライ(フェラーリ)

Q.フォースインディアはダウンフォースの低いサーキットを得意としてきましたが、今年も例外ではなさそうですね?
アンドリュー・グリーン(以下、グリーン):
確かにこういうコースが合っているようだ。ダウンフォースが低く、空気抵抗が小さい方がいいのだろう。このようなセッティングに合うことを意識してデザインしたわけではないが、これまで苦労した分、すこしでも戦闘力を示せるのはいいことだ。

Q.3人のドライバーを走らせたことが、スーティルのクラッシュに影響していると思いますか?
グリーン:
それはないだろう。エイドリアンはコースをよく知っている。ターン7でアンダーステアが出たのは残念な偶然にすぎない。汚れた路面に足をすくわれて壁にぶつかってしまったということだ。午後、ちゃんと走れなかったのは痛いし、ほんとうならポール(・ディ・レスタ)とおなじように活躍していたことだろう。いずれにしても3人体制の影響とは思わない。

Q.ポールは初めてのサーキットで見事なドライビングを披露しましたね?
グリーン:
ほんとうに順応性が高い。5周ほどしただけで、もう周りのペースについていたのだから、たいしたものだ。

Q.ここへはダウンフォースの低さに合わせた特別のパーツを持ち込んでいるのでしょうか?
パディ・ロウ(以下、ロウ):
以前と違って、特別なことはやっていない。現在のレギュレーションは非常に細かく、そのような変更の余地がほとんどなくなっている。モナコのようにダウンフォースの高いサーキットもカナダのように低いサーキットも、マシンの中身はほとんど同じだ。

Q.DRS(可変リヤウイング)が導入されたことについてはどうでしょう?
ロウ:
それほど大きな影響はない。レースでも、それほどの変化はないものと考えている。

Q.ここではマクラーレンとフェラーリが過去11勝ずつで並んでいます。単独の記録をつくるチャンスではありませんか?
ロウ:
そうなって欲しいものだ。モナコでもあと一歩で勝てるところだったから、チャンスはあるだろう。そして、レッドブルとも力関係もひっくりかえしたいところだ。すくなくとも接戦に持ち込むチャンスはあると思っている。

Q.シーズン序盤と状況はかわりつつあると思いますか?
サム・マイケル(以下、マイケル):
ここ3〜4レースは予選の状態がよくなってきた。まだ2ポイントしか獲っていないけれど、最初のころとは違ってきた。本来ならもっと早く投入するはずのパーツが揃ってきている。最近の数戦で確実にマシンは進歩しており、今日もまた一歩前へ進むことができた。風洞実験の方向性が見えてきたのが、要因のひとつだろう。それによって、チーム全体がまとまってきた。このあと、さらに新しいディフューザーとフロント・ウイングを投入する予定だ。こうしたことによって、マシンの戦闘力は確実に上向いていると思う。

Q.カナダにあわせた低ダウンフォース用のパーツも含まれているのでしょうか?
マイケル:
それはない。抵抗のすくないリヤ・ウイングを持ってきてはいるが、レースで使うかどうか未定だ。どのチームも、以前に比べるとダウンフォースのレベルをそれほど低くしていないのではないだろうか。DRSが導入されたこととも関係していると思う。追い越しのためにラップタイムを犠牲にしてまでストレートのスピードを伸ばす必要がなくなったからだろう。カナダGPだけで使用するウイングといったものも、見られなくなっている。

Q.個人的には、このあとどうする予定ですか?
マイケル:
いまのところは、まだなにも考えていない。ここ数ヶ月はウィリアムズでの仕事に集中してきた。

Q.FOTA(全チームからなる組織)を代表して、バーレーンGPに関する経緯を説明してもらえますか?
エリック・ブーリエ(以下、ブーリエ):
基本的に、世界モータスポーツ評議会が全会一致で決定したことを支持している。チームとしては、インドGPとの調整など、以前からあった懸念を表明しただけだ。もともと公表しないつもりでFIA(国際自動車連盟)とバーレーンにチーム側の考えを伝える書簡を送った。そのことも公になっているから、後の経過についてはご存知のとおりだ。出てきた結論には、じゅうぶん満足しており、バーレーンとの間にはなんのわだかまりもないはずだ。

Q.すこし混乱したように思いますが、もっとすっきりと決めることはできなかったのでしょうか?
ブーリエ:
ファンの反応がやや気になるところだ。あのようなゴタゴタは、確かにF1のイメージを損ねる可能性がある。

Q.ファンといえば、昨日のファンの集いはいかがでしたか?
ブーリエ:
おかげさまで大盛況だった。ああいうふうにファンを集め、意見を聞く機会を持つのはいいことだと思う。自由に意見を言ったり、質問をしたりしてもらい、ファンがF1についてどのような懸念を抱いているのか、また将来的にどうなることが望ましいと思っているのか、などということが改めて判った。ファンの考えを知ることは、言うまでもなくF1界にとってプラスだろう。

Q.ところで、今日のルノーについて、どう見ていますか?
ブーリエ:
スピードという点で、やや期待はずれだった。すこし前に、優勝争いをしているチームと比べてどこが問題か判っていると話したことがある。今現在、それを解決しようとしているところだ。

Q.マクラーレンと移籍したフェラーリとでは、ずいぶん違いがあると思いますが?
パット・フライ(以下、フライ):
いろいろと面白いことがある。マクラーレンがどういうふうに仕事をすすめているか見られたのは幸運だった。そしてフェラーリは、また違った考え方で運営されている。そういう意味で、今回の移籍は非常に興味深い経験だったといえるだろう。両方のいい点を生かして、仕事に取り組んでいきたい。

Q.このところ、フェラーリは強かったりそうでもなかったりと、1レースの中で違う面を見せることが多いように思いますが?
フライ:
ずっとモナコのように、最後まで力を発揮してもらいたいものだ。バルセロナの時は、特定の問題を抱えていたため
、最後までレース序盤のスピードを維持できなかった。その原因はわかったので、これからはもっと安定した力を出せると思う。

Q.マシンの開発についてですが、今年に集中して作業をおこなうのはいつごろまでと考えていますか?
フライ:
レースごとにいろいろなことを学んでいるので、今年のマシンを開発することが来年の役にも立つはずだ。今年から来年へと、ある時点ではっきり切り替えるものではない。今年のマシンを速くすることが、来年型の優秀なマシンを仕上げる基礎になるだろう。もちろん、ある時点から2012年のマシンを手がけることになるが、すくなくとも今はそのタイミングではない。風洞実験をどちらのマシンでおこなうかを決めるのはなかなか難しいことだ。それでも、最終的なプランを決定するまでに、あと2ヶ月くらいはあると考えている。

【翻訳:Shigehiro Kondo】
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