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HAMMY’S EYE 2011 <アブダビGP→ブラジルGP>

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近代的なトワイライトのアブダビから、F1サーカスは南米に飛ぶ。最終戦の舞台は、古式ゆかしいインテルラゴス。南米のオールドコースで、どんな戦いが展開するのか。ブリヂストンタイヤとともに14年間、F1を直近で見つめたハミーこと浜島裕英エンジニアの視線で迫る、”タイヤからみたアブダビGPの見どころ!
[STINGER]-山口正己(以下STG):S.フェッテルが14回目のポールを取りました。なんだか”レッドブル退屈症候群”(笑)、といえるほどの強さです。
浜島:なるほど。でも、ひとつ言えるのは、”退屈症候群”というのは、外の人の観方ですよね。ポール取るのは並大抵のことじゃないですから。連破も連勝も、大変なんです。学校のテストで、100点を連続して取るのは難しかったでしょ? それと同じですから(笑)。

STG:100点取ったことないので分かりません(笑)。
浜島:ははは。でも、凌ぎあっている中で、連続して取ることの難しさが分かっていただけると、運転の大変さも伝わるかな、と。

STG:確かにそうですね。でも、順調にいっていれば、L.ハミルトンがポールだったじゃないかと。L.ハミルトンのQ2のタイムは、S.フェッテルのポールタイムより速かった。
浜島:そうかもしれないけれど、今のS.フェッテルは、気合が充実してますからね。

STG:マクラーレンが速くなっています。
浜島:確かに。日本GPあたりから、タイトルを取るのは難しいシチュエーションになっていましたけれど、クルマの開発をちゃんとやってくる、というのは、さすがマクラーレンですね。来年につなげるための”勢い”は重要ですからね。

STG:急に速いクルマは作れない。
浜島:その通りです。ここで頑張っているクラーレンは、来年もいいポジションにいることが想像できます。

STG:フェラーリはどうでしょうか?
浜島:ここ数戦の成績は、F.アロンソの力が作用しているとは思いますが、去年より上に来ていると思いますね。

STG:タイトルは取り逃がしたけれど、モチベーションは費えていない。
浜島:ですね。今期あきらめたと表現されるけれど、そういうことない、ということです。

STG:さて、スタートでS.フェッテルのタイヤが突然バーストしました
浜島:他社のことですから、勝手な想像はできません。それに、スタート直後にああいう状況になっこたとがないので、なんともですが、何かを踏んだのかもしれないですね。

STG:レーシングタイヤのサイドウォールはかなり薄いと伺いました。薄くして軽量化を狙っている、ということでしょうか。
浜島:もちろん、それもありますが、軽量化のために安全を犠牲にすることはないですからね。サイドウォールが薄いのは、たわむことで、しなやかさを出すという目的もあります。

STG:たわむということは、変形するわけですね。
浜島:そう。特に燃料をたくさん積んだスタート時点の重い状態では、サイドウォールが路面に接する可能性は高くなります。特にダウンフォースが大きいクルマだと、薄いところが路面により近くなる。そうなると、デブリ(パーツの破片)を拾ったり、それから、人工芝の接着剤が、とがっていて悪さをすることもあります。

STG:もし、S.フェッテルがあそこでバーストしなかったら、L.ハミルトンとS.フェッテルの壮絶なバトルを観られたのではないかと思うと若干残念です。DRSをお互いがどう使うか、見物だったのではないでしょうか。
浜島:どうでしょう。スタート直後にあれだけ離れていたから。バーストした時点で、もう、4車身くらい離れていましたから。最初の3周までにかけるセバスチャンの集中力はすさまじいものがあります。「2位以下にDRSを使わせない」という気合を感じますね。

STG:S.フェッテルが逃げきったと。
浜島:希望は、面白いバトルですけど(笑)、セバスチャンはノッてますから。マイケル(ミハエル・シューマッハ)の全盛期のようだと思います。”行け”、と言われたら、0.5秒速く走っちゃう。だったら最初から0.5秒速く走れば、゜と思うかもしれないけれど、指示されると、ミッション達成に向けて頑れすね、彼らは。

STG:もしかすると、DRSの”1秒以内に入ったら使える”という決め事は、彼らに、”3周してDRSが使えるようになるまでに、1秒以上離しておく”という明確なミッションを与えるのか!
浜島:ポールなら、その明快なミッションが与えられるわけです。

STG:さて、最終戦は、J.バトン(255点)、F.アロンソ(245点)、M.ウェバー(227点)のシリーズ2位争いが見物になるのではないでしょうか。まぁ、2位じゃしょうがないにしても、特にM.ウェバーは、2位にならないとカッコが付かない?
浜島:興味深いですね。どうなるか予測するのは難しいけど、M.ウェバーは実力試されますね。

STG:M.ウェバーは、3人の中で失うものが一番大きい。
浜島:J.バトンはなりゆき任せ、自分から行こうというタイプじゃないでしょ? F.アロンソは、タイトル争いではないので、去年のアブダビのような慎重な作戦ではなくて、積極果敢にいくでしょうね。面白いレースになると思います。達成できるターゲット与えられると、F.アロンソは強いからね。競馬馬みたい、と言っちゃ失礼だけど(笑)、ターゲットが見えた時の彼は、本当に強いですからね。

STG:競走馬と同じように、呼吸できなくなるまで走る(笑)。
浜島:そういうテンションに持って行けるのが、彼らの才能と思います。

STG:インテルラゴスのコースは、路面がバンピーであることが話題になりますが、タイヤから見るとどんなコースでしょうか。
浜島:意外と厳しくないですね。オーバルの名残のバンクみたいなところが多少やっかいですが、それより、1コーナーのブレーキングが怖いかな。フラットスポットができやすいですからね。

STG:フラットスポットができやすいのは?
浜島
:
長いストレートからのフルブレーキングで、300kmから80km/hにフルブレーキングします。無理することと、路面もカントがピット側に下がっている。

STG:まっすぐ行っても、エスケープゾーンがあるというマージンもある。
浜島:砂利ではないから、スタックしないし(笑)。そこを、パフォーマンスの100%でいけるかどうか。

STG:ブレーキングを遅らせてもラインが膨らんでしまうし、止まり切れなければならないでフラットスポットができてしまう。
浜島:ですね。それに、今年はDRS(可変リヤウィング)がそこで使えるんじゃないかな。だとするとスピードが高くなる分、余計にリスキーになりますね。
*その後、DRSは、1コーナーでは使わないことが主催者から発表された。

STG:注目は1コーナー、ということで。ありがとうございました。
浜島:レースを楽しみましょう!

[STINGER]山口正己
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