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インタビューを終えて–新井HONDA F1レーシング代表に訊く

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拍手を贈る日のために。
3/3からつづく)

青山のホンダ本社2階の特別室で新井康久ホンダF1レーシング代表のインタビューに入る前まで、微妙に緊張した。元々、コメントをなんとかしてください、というまったくもって余計なお世話をしている感覚もありつつ、こちらの思いが伝わらなかったら、喧嘩腰になってしまいそうだったからだ。

しかしそうはならなかった。新井代表が、案外すんなりと、「わからない人によりよく理解してほしいし、立場的に、だめと言ってしまうわけにいかなかった」、と心境を開示してくれたからである。

ここは若干、こちらの真意が伝わっていないところでもあった。すぐに成績が出るというコメントでは、F1という山の高さが伝わらないとは思うけれど、会社を背負う立場上、分からなくもない。もっと素直に、モーターレーシングに対する愛を感じたい、とお伝えすべきだったかもしれない。

3回に分けてお届けした全録の最初の1/3に読者の方からコメントをいただいた。「私達の挑戦を見て下さい。知って下さい」と言う姿勢は皆無で残念な文面でした、とあった。ストレートに、そう言ってほしいと伝えるべきだったかもしれない。

そもそも日本では、F1に限らずモーターレーシングに対する理解のされ方はお寒い限りだ。例えば、自動車関連会社でさえ、モーターレーシングのセクションはややもするとエリートコースではなく、例えば市場調査をきちんとしているはずのD通やH報堂のような代理店の尺度では、モーターレーシングには人も金も集まらないことになっている。それはそれで正しいデータかもしれないけれど、基本として日本の基幹産業が自動車であることをわかった上での対応がほしいところだ。掘り出して、そして伸ばすこと。少なくともホンダにはその義務と権利の両方がある。

ホンダがF1に復帰した機会に、少しでも多くの人に、そのレベルが伝わってほしいと思う。興味がない人には伝わらない、のではなく、そういう人にどうしたら伝えられるのかを、さらに継続して新井代表には課題にしてほしい。伝えたい人々=興味がない人々ということを考えると簡単な作業ではないけれど、難易度が極めて高いサイズ・ゼロにチャレンジすると同時に、この命題へのチャレンジに期待したい。

広く伝わるためには、成績が上がることが近道だから、2016年のマクラーレン・ホンダが、まともな闘いに加われることを祈りたいが、何度も言うように、F1は簡単な世界ではない。新井代表の言葉通り、シーズン前半は、Q3に入れるかどうか辺りから始まることになりそうだが、これを新井代表が口にしたことは、ホンダがF1のクォリティを認識し、明確な目標設定ができた証ではある。目標設定が明確になれば、光は見えてくる。

まずはQ3の常連になる。そこにいければ表彰台も見えてくるのだ。若干、気長に待たなければならないかもしれないけれど、そもそも簡単なことをやっているのではないことを理解して、マクラーレン・ホンダの2016年を待ちたい気分になった。

[STINGER]山口正己
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