山本左近、HRT契約会見全録(4/5)
◆夢、挑戦、前向きに!というメッセージを伝えたい
—-この中国グランプリが終わったあとの、具体的なスケジュールは?
左近 まず、今回は(ぼくは)日本から来たので、日本に戻って、そのあと、スペインに戻って、チームと、バルセロナに向けての準備を進めるという感じですね。
—-スペインに行くのは、いつ?
左近 (噴火の影響がなくなって)飛行機が飛んだら(笑)・・・というか、まだはっきりとした期日は決まってないですけど、なるべく早く行きたいなという風に思ってますね。
—-今後、チームは、ドイツに拠点を移すとか?
左近 まあ、どっちにしても、ヨーロッパ・ベースなので。
—-チームから、スポンサーを持って来いとかいうことはいわれてない?
左近 そういうことは、今回はまったくなくて、「経験」という部分で(ぼくを)買っていただいた、と。もちろん、チームにとっては、おカネがあればあったで越したことはないので、日本のスポンサーが興味があればぜひ、という話はあるんですけど。
—-前回にF1ドライバーであったときと較べて、何か変化は?
左近 これは、ぜひ、みなさんに伝えたいメッセージだったんですけど、いま、F1の世界あるいはモータースポーツで、「日本」のポジション──たとえばホンダだったりトヨタだったりが撤退していくなかで、パドックのなかも、ぼくが(F1に)いたときよりも、日本人の数が全然少なくなってるし・・・。
あと、この冬の半年間くらい、ぼく、日本にいたんですけど。これだけ長く(日本にいる)というのは、数年ぶりだったんですけど、そのなかで、思うところあって・・・。
—-というのは?
左近 やっぱり、夢を持つことの大切さだったり、挑戦することの素晴らしさというのを、ぼく自身の経験を通して、みなさんに伝えたい。その思いが(いま)非常に強いですね。
とくに、こうやって、一度F1を離れて、そしてまた戻ることができたっていうのも、自分自身を信じて、つねに前を向いて歩んできた結果だと思いますし。
これからも、自分の夢だったり目標というものに対して、百パーセント、自分を信じて、自分の思いを成し遂げる──そういう強い意志を持って進んでいきたいな、と。
そうすることで、日本のモータースポーツというものが、少しでも、よく(いい方向に)変わるんであれば、ぼくはそれは、すごく嬉しいですし・・・。
とにかく(日本で)話してても、ネガティブなというか、後ろ向きの感覚を持っている人が多いなと感じたので、気持ち的に、とにかく前向きに生きているという、そういうメッセージを伝えたいと思いました。