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マクラーレン・ホンダはハンガリーで車体の良さを証明したのか?!その1

ハンガリーでの好調は、車体のおかげ?

マクラーレン・ホンダが夏休み前のハンガリーGPで6位と10位に食い込んだ。これは素直に喜びたいところだが、“低速コースだから”とか、“これで車体がいいことが分かった”というもっともらしいが誤解の情報が出回っている。

6位フェルナンド・アロンソは、三強の一角であるリカルド(レッドブル)がリタイアしたチャンスを逃さず、ルノーやフォースインディア、トロロッソの“三大ライバル”を下した。ストフェル・ヴァンドーンも、ピットストップで行き過ぎる、らしくないミスがなければ8位の可能性があった。かくてマクラーレン・ホンダのポテンシャルが、トリッキーなコースで悪くないことが証明された。

しかし、多くの論調に若干の事実認識の誤りがある。それは、“これでマクラーレンのシャシーポテンシャルが低くないことが証明された”というものだ。

確かに、ハンガリーGPの会場のオンガロリンクは、レース中の平均速度は、モナコに次いで低速だから、“パワーユニットが劣っていても大丈夫”に見える。

しかし、これが高速コースでどうなるかを考えると、平均速度が高くなると、パワーユニット同様、車体にも高速性能が必要になる。そこを忘れてもらっちゃ困るのだ。

パワーユニット的に見ると、最高速が低いコースでは、高速域のパフォーマンスの要求度は確かに下がり、耐久性の面でも楽になる。それはその通りだが、車体にも同じことが言える。速度域が低いコースでは、ダウンフォースの依存度が比較して低くなるからだ。

改めて認識しておきたいのは、マシン性能は車体とパワーユニットの総体で決まる、ということだ。オンガロリンクで好調だったのは、車体+パワーユニットの総合力がライバルと戦えるレベルになったからであり、だから車体が優れていた、というのは正しくない。ちなみに、オンガロリンクは、低速とはいえ、平均速度は約200km/h。長いストレートがない分だけパワーユニットの負担は少なかったとは言え、ヘボなパワーユニットで三強以外のトップは無理な相談。マクラーレン・ホンダの問題がパワーユニットだけにあるようなとらえ方は、いかにもミスジャッジということだ。

もちろん、ホンダのパワーユニットは、三強と勝負するにはまだまだ進化しなければならない。けれど、マクラーレンの車体も同様。高速コースでオンガロリンクのような活躍をするためには、パワーユニットだけでなく、車体にもクリアーしなければならない問題があるということだ。

[STINGER]山口正己

(その2につづく)

Photo by McLaren Honda/LAT Photographic

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