[INDY] 第10戦 トロント 決勝
ウィル・パワーが大逆転で今季4勝目。武藤英紀は12位、佐藤琢磨はアクシデントでリタイア。
2010年のIZODインディカー・シリーズはカナダでのレースを2戦スケジュールしている。その1戦目であるトロントでのストリート・レースが開催された。今週末、オンタリオ湖北岸の町はとても過ごしやすい快適な天候に恵まれ、モータースポーツに熱心なカナダのファンの前で熱戦が繰り広げられた。
非常にバンピーで滑りやすい路面が特徴のトロントでは、キャリア初のポール・ポジションを獲得したジャスティン・ウィルソン(Dreyer & Reinbold Racing)、予選2位につけたポイントリーダーのウィル・パワー(Team Penske)、ポイント2位のダリオ・フランキッティ(Chip Ganassi Racing)の3人による激しい戦いとなった。
武藤英紀(Newman/Haas Racing)は予選22位からスタート。決勝レースでもマシンのハンドリングは万全ではなく、特にソフトタイヤ装着時に思うようにペースが上げられなかった。フルコース・コーションを利用して順位を大きく向上させるチャンスにも恵まれることのなかった武藤はアクシデントを起こさずに粘り強く走り続けることに徹し、12位完走を果たした。
佐藤琢磨(KV Racing Technology)は、オーバーテイクの難しいストリートコースで18番グリッドからスタート。1周目に15位まで順位を上げてみせた。その後にいったん20位まで後退した佐藤は、ペースアップした16周目、チームメートのマリオ・モラレスとターン3への進入で接触し、外側の壁に押し付けられてクラッシュ。10戦で6回目のリタイアを喫した。
武藤英紀(12位)
「レース序盤、マシンの状態がいい時もありましたが、ピットストップでソフトコンパウンドのオプショナルタイヤを装着したらタイヤの温度が上がらず、順位を落としてしまいました。休む間もなく来週にはエドモントンのレースがあるため、今日は絶対にアクシデントは起こしたくなかった。そういう意味ではマシンを壊さずに完走できたのはいいことなのですが、12位での完走を喜ぶことはできません。チームメートのグレアム・レイホールが5位でフィニッシュしたのは、チームにとってはいいニュースでした。自分としても、彼のリスタート時やレース中のコクピットでの調整など、さまざまなデータを参考にして今後のレースを戦っていきたいと思います」。
佐藤琢磨(25位)
「スタートでいくつかポジションを上げることができ、チームメートのモラレスの後ろにつけました。彼のペースが上がらなかったので、ターン3でサイド・バイ・サイドになりました。ところが、彼はこちらが見えていなかったらしく、アウト側へと寄って来た。私としてはまったく行き場がなく、彼のマシンと壁の間に挟まれるアクシデントとなってしまいました。まだパスされても大きな痛手ではない序盤だったのに、チームメート同志で接触してリタイアするなんて、本当に残念な結果です。次のエドモントンは空港でのレース、初めての経験になりますが、全力で戦いたいと思います」。
順位 No. ドライバー チーム タイム
1 12 ウィル・パワー Team Penske 01:47:15.2554
2 10 ダリオ・フランキッティ Chip Ganassi Racing +1.2757
3 37 ライアン・ハンターレイ Andretti Autosport +1.7605
4 11 トニー・カナーン Andretti Autosport +3.5382
5 2 グラハム・レイホール Newman/Haas Racing +9.7349
10 6 武藤英紀 Newman/Haas Racing +26.2878
25 5 佐藤琢磨 KV Racing Technology +70Laps