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M.シューマッハ、発表会会見全録

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シューマッハと、彼の復帰を支えた妻のコリーナさん。


◆レースの渇望は蘇っている

長く噂されたM.シューマッハのF1への復帰が、2009年末にメルセデスGPチームより実現することが正式に発表された。その場で、ミハエル・シューマッハは大きな自信を見せていた。

「再びF1のコクピットに座ることができて最高に興奮してるよ! もちろん、ドイツのチームで走ることができるということも、復帰を後押ししたという事実は否定しない。けれどそれはドイツ人ドライバーだったら誰でも同じよう感じると思う。そしてもちろん、再びロス・ブラウンと共に仕事ができるというのも大きな魅力だった。復帰のきっかけが何にせよ、昔のレースに対する渇望はすでに蘇っているんだ」。

ベネトンやフェラーリ時代のシューマッハの成功を支えたブラウンが、アブダビGPの後に彼に「夏にフェラーリでの復帰が頓挫したけれど、今、再びF1マシンを走らせる気持ちはあるかい?」と聞いた際、シューマッハは、まだ準備が整っていないと思うと答えた。

「だけどたった二週間後に再びロスから連絡があったとき、自分の中で情熱が再燃してきていることに気がついたんだ。僕にとってF1マシンで世界タイトルをかけて戦うというのは非常にエキサイティングなことであり、インスピレーションをかき立てることだからね」。

◆フェラーリには心から感謝している

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Photo by Akiko Samesima

「だからこそ僕の気持ちは自然とフェラーリに向いてしまう。今まで共に素晴らしい時間を過ごすことができ、そして彼らとの関係を壊すことなくこの新しいチャレンジをするべく僕を行かせてくれたルカ・ディ・モンテゼモロをはじめ、フェラーリ・チームに心からありがとうと言いたい。こういったことを通じて真の友情が生まれるのだと思う。契約書は交わさなかったけれど、握手を持って今後もお互いを助け合うと誓った。僕の心にはいつでもフェラーリが大きな存在となり続ける。ティフォージ(イタリアのファン)が僕に与えてくれた共感と情熱は決して忘れることはない。彼らの献身的な愛情により僕は世界を転戦することができたのだからね」。

しかしシューマッハは、この新たな決断は気軽にできたわけではないと語った。

「フェラーリと僕は14年間も共に戦ってきたし、僕はこの期間で様々な素晴らしい体験をした。僕のF1キャリアのほとんどは”赤”であり、このチームの結束力は強く、いつも素晴らしいマシンを提供してくれた。2010シーズンではライバルになるけれど、この結束力はかわらない。フェラーリ・チームの固い団結と熱心な取り組みにより、次のシーズンでは強力なライバルになると信じている」。

「メルセデスGPは僕にとっては非常に魅力的な新たなチャレンジだ。このチームが非常に強いはずだということは疑いようがない。それを証明するように、すでにドライバーズとコンストラクターズのワールドチャンピオンシップをその絶妙なプロフェッショナリズムと情熱で獲得している。現在のワールドチャンピオン・チームと、メルセデスのパフォーマンスの差は拮抗していて、2010シーズンは非常に魅力的なシーズンになると同時に、コース上では激しく、エキサイティングなバトルが展開されると思う」。

「メルセデスは僕がグループCとル・マンに参戦したときに初めてドライバー契約を交わしたチームだし、1991年にジョーダンでF1初参戦したときもサポートしてくれた。このため個人的には長いF1生活が一周したような気でいるんだ。本当に楽しみだよ」。

◆バッテリーは完全に充電できた
一方でシューマッハは、2006年シーズン終了と同時に彼のF1キャリアは終わったものだ、と去年の12月初旬までは本気で思っていたと明かした。

「ところが、時として物事は予想しない方向に突然変わったりするものなんだ。突如として自分の中の枠組みが取り払われ、今までと違う状況になったりする。こういった状況となったとき、今までの決断を考え直し、また新たな決断をしていかなければならなくなるんだ。正直にいうと、不発となった夏のカムバックが僕にとってのこの転換期だった。それ以降は自分でも驚くぐらい早く、そして強くこの世界への復帰を希望する決断することになった。3年間で僕のバッテリーはすっかり充電できたと思う。ロスのありがたいお誘いでメルセデスGPへのオファーがあったとき、僕は以前のモチベーションと強い意志が自分の中にあることを感じることができたんだ」。

夏のカムバックは、09年2月のオートバイレース中の転倒により痛めた首の筋肉が完治していなかったため実現されなかった。しかし今はそのケガも完全に治り健康体だという。

◆コリーナに感謝したい

「身体的には完全といえる状態だ。プロフェッショナルなトレーニングをすることで、僕の体がいかに早く以前の状態に復帰できるかは夏の復帰の話があった時点で体感することができていた。その夏の一件以来トレーニングは怠っていないし、首の状態は完璧だ。夏の時点ではまたオートバイでの転倒から5ヶ月しかたってなかったから、首のトレーニングはできる状態ではなかった。だけど今はすっかり完治して、首についても現役時代と同じトレーニング・メニューをこなしているよ」。

「引退してからの3年間は非常に楽しい時間を過ごしていたよ。いろんなことに取り込んだし、つまらないと思ったことはなかったね。カートで走ったりオートバイのレースに出たり、気軽な気持ちで色々なことを楽しむことができたんだ。そして今は、再びトップレベルで戦う準備が整っている。短い期間でこの決断に至ったことは認識しているが、僕の情熱を理解してくれ、それを支え、応援してくれる(妻の)コリーナに感謝している。僕が今回の復帰計画を話したときには即座に理解してくれ、その決断を支持してくれたんだ」。

「簡単に言えば、僕は完全に準備ができてるってことさ!!」。

(翻訳:Noah Sellen)
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