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マクラーレン MP4-25

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マクラーレン
MP4-25
2010年シーズンを戦うMP4-25は、2009年型のMP4-24とは似ても似つかないラジカルなソリューションでまとめられている。ノーズは09年のレッドブルRB5や、前日に発表されたばかりのフェラーリF10ほどには高くないが、MP4-24より明らかに高い。ノーズの下には09年のウィリアムズFW31にも見られた船の先端部に似た処理が施されている。水平面の延長線上に、ウィングステーを挟んでカメラステーを取り付ける凝りようだ。

フロントウィングはメインプレーン3エレメント+アッパープレーン2エレメントの多層構造。翼端板の内/外側の処理も凝っており、力の入れ具合が伝わってくる。MP4-24のフロントウィングと同様、底面に複数のバーチカル・スプリッターを備えている。

フロント・サスペンションに大きな下反角が付くのは相変わらずだが、アーム類のレイアウトは変更された。マクラーレンは09年までトラックロッドをウィッシュボーンと抱き合わせることをせず、独立した構成としていた。空力的には野暮な処理だったのだが、MP4-25でようやくトレンドに追いついた格好。しかも、09年のブラウンBGP001が採用した、ロワー・ウィッシュボーンにトラックロッドを抱き合わせるレイアウトにした。ステアリング・ラックの搭載位置が低くなるため、低重心化に寄与する。

サイドポッド以降の処理もラジカルだ。vodafoneのオレンジにペイントされた部分がサイドポッド上面の傾斜と一致。おそらくこの傾斜に合わせて、幅が狭く縦に長い熱交換機がレイアウトされているのだろう。サイドポッドのアンダーカットと合わせて、上面外側を大きくえぐりとることによる空力効果を見込んでいるに違いない。

ボリュームの小さいサイドポッド外側とは対照的に、ヘッドレスト背後はこぶのように盛り上がっている。この件に関してはチーフ・デザイナーのティム・ゴスが、「(燃料タンクが大きくなったため)冷却系の一部を車体後部中央に移設した」と説明している。

テールパイプ出口は車体中央寄り後方に配置。エンジンカバーはシャークフィン型で、リヤウィングのメインエレメントと完全につながっている。ディフューザーの処理は不明だが、他のエリアの凝った処理を見れば、手の込んだ造形であることは想像がつく。

大胆なコンセプトチェンジはときに、失敗に結びつく。これが吉と出るか凶と出るか……。スピードと結びつくかどうかは未知だが、新車発表の段階ですでに、細部に至るまで練り上げられているのは間違いない。

【STINGER / Text by Kota Sera(世良耕太)】

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