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モントリオールのキーポイントは、M.シューマッハ、R.バリチェロ、J.トゥルーリ?!

◆スリックタイヤ経験者の3人の不思議な符合
去年からスリックタイヤが復活した。ということは、2年ぶりのカナダGPは、久々のスリックタイヤが使われることになる。溝つきグルーブド・タイヤは1998年から。最後の1997年のスリックタイヤ最後の年にF1に参戦していたのは、M.シューマッハ、R.バリチェロ、そしてJ.トゥルーリの3人だけである。

この3人が乗るマシンは、メルセデス、ウィリアムズ、ロータス。ちょうど、トップグループ、中団グループ、テールグループに振り分けられている形だ。

そして、モントリオールは、R.クビツァの言葉を借りれば、「モンツァとモナコを合わせたようなコース」である。高速なのに壁が近い、という意味だ。さらに路面が特殊な上にバンピー、縁石の使い方にも”コツ”がある。ついでに言えばJ.トゥルーリには、トヨタ時代にサスペンションが折れるという苦い経験もある。

可夢偉(カムイ=小林可夢偉)が苦労しているのも、その”経験”から来る猶予がないことだが、となると、この3人が、それぞれのパート、トップグループ、中団、テールグルプのカギを握っている、という観方ができそうだ。

◆トップグループの肝=M.シューマッハ
フリー走行2で、M.シューマッハは”さすが”のタイムの出し方をしている。タイヤの性格をを知り尽くした上で、一撃を一発で決めている。いみじくも”経験がモノを言う”ということがデータで検証されたわけだ。マクラーレンの二人が、アタック直後にミスとも言えないミスでタイヤをクールダウンさせて立ち直らせたが、M.シューマッハにはそういうタイムの”暴れ”がなかった。

◆中団グループの肝=R.バリチェロ

経験の必要性を最も感じさせてくれたのがR.バリチェロだ。もちろん、他のチームが、軽い見込み違いをフリー走行で気付かされたダウンフォース(予想以上に必要だった)の読みが当たっただけかもしれないが、中団をリードしている。チームメイトのN.フルケンべルグも、初めてのコースでまずまずのタイムを出しているが、ウィリアムズはこのコースのシュミュレーター・データを持っており、つまり、多少なりとも”経験”を積めている。

◆テールグループの肝=J.トゥルーリ
J.トゥルーリが所属するロータスは、チーム運営にベテランはいないが、ドライバーとエンジニアには”経験者”をそろえている。そしてもうひとつ、ダウンフォース不足が思わぬところで吉と出た。

極端な話、マシン・ポテンシャルは、”ダウンフォースを稼げているかどうか”で決まるとも言える。当然ロータスは、絶対的なダウンフォースが足らない。しかし、カナダGPの会場であるモントリオール市街地コースは、比較的ダウンフォースが少なくとされるのだが、ロータスにとっては、”ダウンフォースを削れる余裕”はない。つまり、ロータスは、現在持ちうるフル・ダウンフォースでカナダGPに臨んだ。

結果がどうなったかといえば、多くのチームが、金曜日のフリー走行後に、”想定以上にダウンフォースが必要”であることに気付いた。だが、「ではどこに合わせるか」と悩むことになった。

この予測が正しければ、ロータスが初めてQ2に進出することになるかもしれない。彼らにとっては、それは、レッドブルやマクラーレンのポール・ポジションと同じ価値がある。

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