フェラーリ、チームオーダーのペナルティーは罰金のみ(リリース)
レギュレーション違反(チームオーダーを行なったこと)の罰金のみで済んだフェラーリ。
2010年6月25日、ドイツGPにおいて、競技委員会は、禁止されているチーム・オーダーによるレース結果の操作を行ったとして、スクーデリア・フェラーリに10万ドル(約840万円)の罰金を科すと共に、さらなる審査を世界モータースポーツ評議会に委ねた。
世界モータースポーツ委員会の審判団は2010年9月8日、この事例に関し、パリで異例の会議を実施した。
提出された各方面からの報告書、発言、文書を詳細に検討した結果、審判団は競技規定39章1項に反する行為として、10万ドルの反則金を確定し、審査に要した費用を加えた額の支払いを同チームに求めた。
一方、審判団は競技規定39章1項について、その是非をF1競技実行グループに再検討するよう求めている。
決定の全文は、2010年9日、www.fia.comに公開される。
■審査の経緯
2010年3月、バーレーンにおいて、世界モータースポーツ評議会は、FIA会長の要請する提訴人と審判人を厳格に分別する新たな懲罰決定過程の導入を決定した。2010年11月5日の総会では、国際裁判所の創設を含む、より広範なFIA審判過程の整備が承認される。国際裁判所は世界モータースポーツ評議会に代って、懲罰を実施する権限を有する。
すでにUSF1の事例に適用された新たな手順を実施するに辺り、FIA会長は実行委員会を組織した。FIA会長は提訴を受けた人物が該当する事項について異議を唱えた場合、その判定を会長代行、グレアム・ストーカー氏を議長とする世界モータースポーツ評議会の審議グループに委ねる権限を持つ。
会長代行は必要な調査の過程を遂行し、世界モータースポーツ評議会のメンバーの中から報告者を指名する権限を有する。
今回の事例において、会長代行は世界モータースポーツ評議会のメンバーであるラース・オステルリント氏を報告者に使命した。オステルリント氏の報告は、提訴されたスクーデリア・フェラーリ・マールボロに提出された。
事情聴取に先立ち、世界モータースポーツ評議会の審判部門は、スクーデリア・フェラーリ・マールボロに送られた報告書を含め、この事例に関するすべての文書を入手した。
FIA会長は事情聴取に出席しなかったが、代ってオリック・ラムボウ・マルテル法律事務所のジャン-ピエール・マルテル氏が参加した。
世界モータースポーツ評議会の審判部門は2010年9月8日に会長代行を議長とする異例の会合を開き、スクーデリア・フェラーリ・マールボロのステファノ・ドメニカリ代表が、弁護人、ヘンリー・ピーター、ナイジェル・トッツィの両氏立ち会いの下、会議に出席した。世界モータースポーツ評議会は、必要な場合、関係したドライバー、フェルナンド・アロンソ氏とフェリペ・マッサ氏をビデオ会議に参加させる準備を整えていた。