決勝のタイヤ
FIAから予選終了後に公表されたトップ10ドライバーのタイヤに興味深い事実が隠れていた。マクラーレンのJ.バトンのみが、固い方のプライムタイヤを履いて最終予選(Q3)を走っていたのだ。
その事実には二つの”ストーリー”が見え隠れする。ひとつは、固いタイヤでJ.バトンが予選5番手をえている。柔らかいタイヤなら、もう少し速かった可能性がある。つまり、マクラーレンのポテンシャルは、予選グリッド以上ではないか、ということ。
そしてもうひとつは、タイヤ交換のタイミングで、J.バトンがレースを優位に進めることができるかもしれない、ということだ。
ブリヂストンの浜島裕英MS・MCタイヤ開発本部本部長は、「オプション(柔らかい方のタイヤ)の交換時期はだいたい15周辺り」と明かした。そこまでの段階で、J.バトンが「リヤタイヤをうまく労って使っていれば」との条件付きで、「面白いことがおきるかもしれません」。
11番手以降のグループのタイヤはまだ見えないが、可夢偉は、J.バトンと同じく固いタイヤでのスタートを考えているのではないかと思われる。どちらのタイヤを選んだにしても、可夢偉の作戦は、”スタートでどの位置に着けられるかによって、その後を考える”といういつものパターンでいくはずだ。
まずは、スタートの小林可夢偉/23ザウバー、そして15周辺りのそれぞれのタイヤ交換のタイミングに注目だ。
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