ピレリ、全種類のドライ・コンパウンドをヘレスに搬入
初の公式テストがヴァレンシアでおこなわれて1週間、ピレリは早くもサーキットに戻ってゆく。2月10日〜13日まで、4日間の合同テストがスペインのヘレスで実施されるからだ。
最後にF1のレースが開催されたのが1997年というヘレス・サーキットは、ヴァレンシアと対象的な特性を備え、ピレリPゼロ・タイヤの異なる側面を試すのに適している。
スーパーソフト、ソフト、ミディアム、ハードという4種類のコンパウンドが全て持ち込まれ、インターミディエイト※とレイン・タイヤも用意されている。ヴァレンシアのテストはずっと好天だったため、雨用タイヤがほとんど使われなかったが、今回もウェット・コンディションへの備えは万全だ。
スーパーソフトは最高の性能ながら消耗が早く、ソフトはこれに近い特性ながら、やや長持ちする。ミディアムは性能と耐久性のバランスを重視しており、ハードはもっとも耐久性にすぐれている。
ヘレスには、チームとドライバーが収集したデータを元に開発を進めたミディアム・コンパウンドが用意された。開幕までにテストで使用されるタイヤは1台あたり100セットだが、ヘレスではこのうち30セットが供給される。
◆ピレリ・タイヤ モータースポーツ主任、ポール・ヘンベリー
「ヴァレンシアで各チームのドライバーから得られた情報は貴重なものだが、まだまだ先は長い。ヘレスでは、また違った性格のコースでタイヤを試すことができる。ミディアム・コンパウンドに加えた改良は小さなものだが、それでも新たな進歩につながっているはずだ。今週はロバート・クビツァのアクシデントというたいへんなニュースがあり、ピレリの関係者もみんな心配している」。
ピレリはF1参戦に備えておこなわれた1万8000キロに及ぶプライベート・テストの期間中、ヘレスでペドロ・デ・ラ・ドサのトヨタTF109を走らせている。
低速から高速まで、さまざまなコーナーを備えるヘレスでは、異なるスピードからの加速に対応するリヤのトラクションが重要だ。最高速こそ高くはないが、幅広いテストをおこなうことができるコースと言えるだろう。
4日間の走行はいずれも午前9時から午後5時まで実施される。予想される気温は摂氏5〜20度となっている。
※インターミディエイト
レインとドライの中間のタイヤのこと。