ジェースム・キー 金曜記者会見
Q.今日のフリー走行はどうでした?
ジェームス・キー(以下、キー)問題なかった。いつもどおりタイヤをチェックし、セッティングを進めていただけだ。午前中にいくつかのものをテストしたが、最初のフリー走行は路面が滑りやすいので、あまり参考にならない。それでも、データは集めることができた。普通にプログラムを消化し、順調だったというところだろう。マレーシアと同じように、今夜マシンのバランスを検討するつもりだ。セクター1がとくに重要だが、おそらく大丈夫だと思う。
Q.タイヤについて聞かせてください。
キー: まだいろいろと研究しているところだ。冬季テストはいずれも気温が低く、路面が滑りやすい状況でおこなわれた。消耗やタイヤの特性についてある程度は知ることができたが、メルボルンの状態は予想を裏切るものだった。気温がいくらか高かったにもかかわらず、耐久性はむしろ高くなっていたんだ。ピレリ側は前から温度が上がった方がよくなると言っており、実際にそうだった。ほかのチームもおなじだろう。特にセルジオ(・ペレス)が1回のタイヤ交換で完走したのは嬉しい驚きだった。暑いクアラルンプールではオーバーステアを予想しており、実際にそうだったが、思っていたよりもその程度が大きく、オーストラリアのときとは前後のバランスを大幅に変えていた。ここはその中間で、マレーシアとオーストラリアの間でバランスを取らばいいわけだが、いざやるとなると、これが簡単なことではない。勉強しているところで、予測はできるのだが、どの程度かはわからないし、マシンのバランスについては、まだ手探りの状態が続いている。
Q.ここまで、できるだけピットストップの回数を減らす方向のようですが、それはマシンをデザインする段階から狙っていたことですか?それともオーストラリアの状況を見て決めたのでしょうか?
キー: たぶん両方だと思う。マシンの設計段階では、だれもタイヤのことが判っていなかった。ピレリからは情報の提供をうけていたけれど、それはあくまで暫定的なもので、実際にテストするまで、疑ってかからなければならなかった。開発はずっと続いていたからだ。こちらとしては、どんなタイヤにも対応できるよう、幅を持たせてマシンの特性を決める必要があった。それが、セッティングをタイヤに合わせることができた理由だろう。メルボルンでは、予選で3周使ったタイヤを履いて、1回の交換で完走することができた。さきほども言ったとおり、メルボルンではタイヤの特性が予想していたのとまったく違っていたんだ。ドライバーも、揃ってタイヤを温存する走りをしてくれた。それでも、1回の交換は予想外だった。なにしろ、1セットで45周も走ることになるからだ。あのあと、ドライバーもマシンもタイヤを消耗させないことが判ったため、ピットストップの回数を減らす方針を採ることにした。冬季テストの時点でも、うちのシャシーがタイヤにやさしいのではないかと思わせる兆候はあったが、なにしろコンディションが違うので、確信はもてなかった。
Q.他のチームも同じくピットストップの回数を減らそうとしているようですが?
キー: そうかもしれない。ただ、マレーシアの2ストップは、私たちにとってもギリギリの賭けだった。またしても、ドライバーの力に負うところが大きかったと言えるだろう。そして、それだけの価値はあった。2ストップも3ストップも、計算上はレースタイムに差が出ないはずなんだが、タイヤ交換を2回にしたほうがリスクは小さくなる。マレーシアではそれが競争相手との間の12秒という差になったわけだ。