フリー走行初日から戦力を読み解く
フリー走行2で4番手と5番手を占めたメルセデスGP。しかし、軽いタンクでのアタックだった可能性大。
2回のフリー走行の状況から、チーム力の輪郭が浮かびあがった。フリー走行2回目の後半に集中している各ドライバーの連続周回を観察すると、多くが1分44秒台に集まっている。
10周を越す連続走行のタイムで、レッドブルだけが1分43秒、M.ウェバーが、15周の連続走行をほぼ1分43秒台にそろえ、9周目には1分42秒台を記録して記録している。これに対して、他は申し合わせたかのように1分44秒台にそろっている。これが、ある程度燃料を積んだときのレースの大方のペース、という想像ができるだ。
仮に燃料搭載量が同じだったとすると、レースでは、もう少しラバーグリップ(今年はこの表現が正しいかどうかわからないが)とともにタイムが上がるはずだから、1分42〜43秒がレース中の平均的なタイムの基準になりそうだ。ちなみに、去年のファステスト・ラップは、M.ウェバーの1分42秒061だった。
レッドブルが逃げてマクラーレンが追い、フェラーリはやや遅れて、もしかするとルノーの後ろでレースを進めるかしれない。メルセデスGPは、燃料軽めでフリー走行を走っていると仮定すると、そのメルセデスGPを含む集団、つまり、シューマッハとロズベルグのメルセデス、小林可夢偉/ザウバー、N.ハイドフェルトとV.ペトロフのルノー、スーティルのFインディア辺りが大混戦になるかもしれない。
また、レースペースということを考えると、マッサ/フェラーリが、12周の連続走行で、レッドブルの2台に次ぐ1分43秒台に連続で入れる駿足を見せている。F.アロンソの地味なタイムと併せて、フェラーリは、予選セットを捨て、決勝セットに照準を合わせ込んでフリー走行を進めたかもしれない。ならばレースではそれなりのポジション、うまくすれば表彰台に絡んでくるか。
そして、レッドブルにとっての驚異は、マクラーレンだ。路面が汚れているはずの午前中のフリー走行1で、J.バトンは、9周の連続走行で、1分43秒台を連発している。
土曜日のフリー走行がどう出るか。気温が突然10℃ほど下がるとの天気予報が出ている。特に、予選シュミレーションが敢行される終盤20分が注目される。