バルセロナ合同テストの初日で見えた!?
シーズン序盤の注目は、最も早く上位タイムを記録したK.ライコネンで決まり!!
2月5日から8日のヘレスでのテストに続いて、スペインGPの会場であるバルセロナのカタルニア・サーキットで2回目の合同テストが始まった。
シーズン中のテストが禁止されて以来、シーズン直前に集約されるこの時期のテストは、重要な意味を持つが、今年は若干事情が異なる。
2014年シーズンからエンジン規定が大きく変わり、その影響でマシンが完全に生まれ変わる。結果として、2013年のマシンは、2014年型マシンの開発に少しでもエネルギーや資金を回したいというチーム・エンジニアリングから、2012年バージョンのリファイン版になっているからだ。
そうした状況は、競争を拮抗されるが、元々、去年の段階からマシン格差がギュッと縮まり、僅差のバトルが展開しているのはご存じの通り。つまり、今年は、マシンが新型にならない分だけ、その差がさらに縮まる可能性が高まった、ということだ。
そしてもうひとつ、今年のレースを拮抗させそうなのが、ピレリ・タイヤである。
去年のピレリは、可夢偉がテレビの会見で思わず”クソタイヤ”と言ってしまったくらい(当然カットされていた)に手に負えないものだった。要するに、コンパウンドが固く、下手をすると1レース持ってしまうのではないか、というものだった。
そうなると、特に小林可夢偉が所属していたザウバーのような中堅チームが、タイヤ交換のタイミングや、時には2種類のタイヤを常識外れの順番で使うことによって、アクシデントでセフティカーが入ったときなどに大逆転を期待できる”奇襲作戦”がまったく出番をなくし、”安定したレース”になっていた。
可夢偉ならずとも、そのタイヤを褒めるドライバーはいなかったが、では、どうしてピレリはそういうタイヤを供給したのか。それには、こんな説がある。”トップチームは、安定したレースを望んでいる”というものだ。
つまり、高いポテンシャルを持つトップチームは、奇襲作戦で中堅チームに油揚げをさらわれる状況を好まない。そもそもF1は、階級社会の不文律である”既得権”が重要視される。つまり、強いモノはいつでも強くなければならないのだ。
この”想像”が正しいかどうかは、これまたご想像にお任せするが、そうした見えない力が働くのもF1であることを考えながらレースを眺めると、いろいろな想像ができて楽しいのである。
さて、バルセロナ・テストである。
前回、先々週にもヘレス・サーキットでテストが行なわれたが、カタルニアは、別の意味を持っている。バルセロナのカタルニア・サーキットは、まず、スペインGPの舞台であること。つまり、全チームが豊富なベースデータを持っている。さらに、ここで速ければ、20戦のGPコースの多くで速いことを誰もが知っている。したがって、ここでの調子がそのまま、2013年シーズン全体を見極める基準になる、ということだ。
もちろん、テストはテスト。それぞれのチームが思い思いのプログラムでスケジュールを消化するから、タイム比較には意味がない、ということも言える。三味線を弾く、という言葉もあり、敵に手の内を見せないことも、当然ながらチームは考えている。
そうした状況でバルセロナの初日を見ると、
1. N.ロズベルグ/メルセデス
2. K.ライコネン/ルノー
3. アロンソ/フェラーリ
4. フェッテル/レッドブル
誰がどのタイヤを履いてのタイムから不明だが、この状況から、[STINGER]は、”今年はK.ライコネンが要マーク”と見た!!
[STINGER]山口正己