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小林可夢偉、フェラーリ・レーシングデイズ会見全録

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鈴鹿サーキットのメディアセンター内に設けられたステージで。左は、フェラーリ・ジャパンのアプローズCEO。

可夢偉が戻ってきた。表彰台を得た昨年の日本GP以来半年ぶり、そして舞台を移したWEC(世界耐久選手権)の第一戦の翌週に、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットで行なわれた”フェラーリ・レーシング・デイズ”の会場である。

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可夢偉は、イベントのひとつとして行なわれた”フェラーリ・チャレンジ・トロフィオ・ピレリ・アジア・パシフィック2013″に参戦、2レース行なわれるそのレースの間隙を縫って、フェラーリ・ジャパンのアプルロCEOとともに、久々に会見に臨んだ。

アプルロズ・フェラーリ・ジャパンCEO(以下、アプルロズ):まずは、フェラーリ・レーシング・デイズにようこそ。そして鈴鹿にお帰りなさい。
可夢偉:ありがとうございます。

アプルロズ:去年の10月の日本GPで、表彰台に乗ったのをみて大変感激しました。本人としては、その鈴鹿に戻ってきて、どんな感じですか?
可夢偉:え〜と、まず、鈴鹿に帰って来れるというのは、唯一、(F1が)日本にあるコースなので、他(のコース)はあまり印象ないんです。こうやって初めて、GT的なクルマに、鈴鹿を走るというのも、いろいろな意味で、鈴鹿の面白さも思い出したり、常に実感しますね。

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アプルロズ:フェラーリと最初にサインしたアジア人ドライバーになったわけですが、フェラーリ・ファミリーに入ったことに対して、どんな印象をもっていますか?
可夢偉:まず、やっぱり、フェラーリ・ファミリーに誘ってくれたドメニカリ(フェラーリF1チーム代表)に感謝することと、なかなか赤い服には慣れないな、という(笑)。そうですね、意外にスムーズに、イタリア人と働くのが気にならない、というか。まぁ17歳の時に、初めてヨーロッパに行ったのがイタリアだったので、(ぐるっと)1周したのかな、というような感覚ですね。マラネロに行くときも、”昔、通った道だな”とか思い出深いシーンがいっぱいあるんで。そういう意味では、(フェラーリとのジョイントは)凄く自分の中では新しい経験なんですが、違う意味では、帰って来たのかな、という感覚があります。

アプルロズ:さきほど、フェラーリ・チャレンジの第一レースに初めて参加しましたが、タフなレースだったと思います。いかがでしたか?  会見は第2レースの前に行なわれた。
可夢偉:日頃、レースをしている人(F1やWECに参加しているドライバーたち)は、だいたいどこでブレーキを踏むだろう、とか想像が付くんですけど、(今日の参加者は)意外に想像付かないところでブレーキを踏んだり、こっちを見ているのかな、と思っても見ていなかったり。でも、これが”レースを楽しむ”人のためのレースなのかな、と。自分自身は、できるだけみんなに迷惑をかけないようにレースをしたんですけど、この458チャレンジのクルマ(フェラーリ・チャレンジ用の458イタリア)は、初めて今日乗ったんでずが、レースカーなんですけど市販車的な要素もあって、ブレーキのタッチが市販車なんだけれど、クルマはレーシングカーっぽかったりで。自分の中でこういうクルマの経験がなかったので、ボクらが乗るとちょっともの足らないかも知れないけれど、趣味でレースをやりたいな、という人も、凄く普通に乗れて楽しいクルマだな、と思いました。

貴重な経験ができて、これも悪くないな、と。このクルマの横にシートを着けて、助手席を体験できるようにしたらいいんじゃないですかね。フォーミュラカーの2シーターは経験があるんですけど、本当に怖いんで。だから、これ(フェラーリ・チャレンジ)くらいのクルマだったらいいのかな、と思いました。

(以下、質疑応答)

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—-今年、シルバーストンでWECのデビュ戦を終えましたが、F1へのストーリーについては、どんなふうに考えているのかを教えてください。
可夢偉:FIAの? あ、F1への?ですね(笑)。F1へのストーリー、なかなか難しい質問ですね。まだ、シーズンが始まったばかりなので、まずは様子を見ることと、いまはフェラーリで与えられた仕事をしっかりやる、ということ。で、もう少し(時間が)経ったら、余裕が出てくると思うので、F1の方の仕事もできてくると思ういます。ストーリーといっても、来年がどうなるか分らないんで、今の段階で(コメントするのは)ちょっと早すぎるかな、と。

ただ、いろんな状態にしっかり対応できるように、回りを固めることの方がボクはいまは大事だと思うんで、ストーリーを描く前に、なんと言うんだろう、周りのインフラというか準備を整えることですかね。例えば、また募金を再会するならば、よく言われているクレジットカード(での参加での参加)がないとか、そういうことも、準備しているので、そういうところにたいする対応をやっていこうと思っています。

明日明後日でホームページを作って、その機能を備えろというのは無理なので、そういうことをしっかりやって、シーズンがもう少し入ったら(進んだら)F1の動きが変わってくるかもしれないし、
まだ、来年の動き、というのは早すぎると思います。

—-アプルロズCEOにお伺いします。今年、2回目のフェラーリ・レーシング・デイズは、可夢偉選手を迎えて、さらに素晴らしいイベントになったのではないでしょうか?
アプルロズ:まったくそのとおりです。去年は、ミカ・サロ選手にきてもらってそれも素晴らしいことでしたが、今回は、小林可夢偉さんに来ていただいて、日本人として、そしてフェラーリのお客様にとっても、こんな素晴らしいことはないのではないか、まさにドリーム・カム・ツゥルー(夢が実現した)と言えると思い、大変に光栄に思っています。

—-可夢偉さん、イタリアに行った印象について、F1の方のマラネロ・ファクトリーを見た印象を。
可夢偉:さすがにイタリアだけあって、なぜかロジスティック(パーツやマシンの運搬システム管理)の建物がものごっついかっこいい、という謎がありました。ロジのビルが一番かっこいいんで、ビックリして。ひとつひとつこだわっているな、と。ただ、思いの他、オープンで、ムービーを回したんですけど、F1のエンジンがポコッとカバーが開いていたり。そういうところがフェラーリらしくオープンで、人との付き合いを大事にするようなイメージがあました。

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—-規模については?
可夢偉:規模は、(スタッフが)みんなレースに行っていたので、なんとも言えないですけど、オフィスのエンジニアルームとかは、意外とコンパクトでした。(去年まで在籍していた)ザウバーの方が、一人一人のテーブルの大きさとか、大きかったような。ただ、数は違いますけど。ただ、ザウバーも(BMWから離れて)700人とか800人が300とか400になったのかもしれないですけど。

—-凄いと思ったことは?
可夢偉:テクニカルな部分で凄い思うことは、いまさらなかったですね。すでにトヨタやザウバーで見ているし。フェラーリがすごく特別なことをやっているということはなくて。いいドライバーがいて、いいエンジニアがいて、いい結果が出る、というシンプルなことだと思います。なにか特別にビックリすることはなくて、(それより)今年一番のサプライズは、GTのクルマ(WEC用のフェラーリ458イタリア)にエアコンが着いているとか(笑)、そういうサプライズの方が多いです。エアコンを着けるとパワーが落ちると思ったらそうでもなかったりとか(笑)。そっちの方がサプライズでしたね。

[STINGER]山口正己
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