メルセデスとピレリのテストは違法?
問題はFIAにゆだねられた。
5月12日(日)におこなわれたスペインGPのあと、メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラ・ワン・チームとピレリが非公式にタイヤ開発テストをおこなったことが問題になっている。
15日(水)〜17日(金)までの3日間おこなわれたこのテストが、シーズン中のテストを禁止するというレギュレーションに違反したと判断したインフィニティ・レッドブル・レーシングとスクーデリア・フェラーリは、モナコGPの決勝がおこなわれた26日(日)、正式に異議申し立てをおこなった。
問題の調査をおこなったモナコGPのスチュワードによる調査結果は、FIAに提出されることになり、最終的な判断は、FIAの国際法廷にゆだねることが決定した。なお、今回の異議申し立ては、スポーティング・レギュレーションにある、シーズン中におこなうテストの禁止の項目に反しているかどうかに対するもので、モナコGPの結果には影響しない。
メルセデスとピレリは、問題となっているテストの前に、テストの実施が問題ないかFIAに問い合わせ、許可が下りたと主張しているものの、FIA(国際自動車連盟)が発表した声明によると、両者からの問い合わせは受けたものの、テストがレギュレーションに沿ったものかどうかの確認がとられないままテストがおこなわれたようだ。
今回の問題に対するFIAの声明は次の通り。
FIAの声明
「5月の始めにピレリから、現行型マシンを使用してチームとともにタイヤ開発テストを行ってもよいかという問い合わせがあった。唯一のタイヤ・サプライヤーとしてFIAと契約している契約では、すべてのチームに対してテストの実施とそれに参加できることを通達した場合に限り、最高1000kmまでならどのチームとでもテストを行ってもよいという項目が設けられている」。
「ピレリとメルセデスAMGは、FIAから、チーム側ではなく、ピレリ主導でテストが進められる場合に限り、そのような開発テストが可能だというアドバイスを受けており、テストはこのスポーツの公平性を保つため、すべてのチームに同じテストのチャンスを与えることが条件となっている」。
「その連絡のあと、FIAはピレリとメルセデスAMGかテストについては詳しい事情を聞いておらず、FIAは、全チームがテストに参加するチャンスが与えられたかどうかの連絡も受けていない」。
「そのうえ、このスポーツの公平性の原則を記したスポーツのルールを適用することに関して、国際スポーティング・コードにより、スチュワードによるミーティングの報告、もしくは、起訴団体であるFIAが自発的に国際法廷より先に問題を提起できることを忘れてはならない」。
「法廷では、ミーティングをおこなったスチュワードが下したいかなるペナルティよりも優先されるペナルティを与える可能性があり、そのような手順をとる場合、FIAの司法、懲戒規則にしたがって処置がとられる」。
Photo by Pirelli & C. S.p.A. – Pirelli Tyre S.p.A
【FIAの声明翻訳:STINGER】