可夢偉が「F10」を走らせたワケは?
小林可夢偉がフェラーリF1のテストコースであるフィオラノでF1を走らせた。
フェリペ・マッサの代役? という予測がネットに踊ったが、実際には、ロシアで予定されているロードショー(要するにデモンストレーション走行)の予行演習だった模様だ。
可夢偉は、ステアリングを握った「F10」が、”一緒に(2010年シーズンを)走ったマシンで、ポテンシャルを知っていたから興味があった”とコメントしたに留まったが、それにしても、例年になくアクシデンタルなモナコGPが終わった翌日、さらにそのモナコで、前々から契約終了が噂(という勝手な憶測)のあったマッサの、まったく同じ(に見える)1コーナー・アプローチでのスピン/クラッシュを観たばかり。クビを傷めて、コースサイドでコルセットを首に巻いた姿がテレビに映り、”可夢偉にチャンス?!”という”不謹慎な”声も聞こえていた。
フィオラノを走った可夢偉をよく観察すると、ヘルメット(右写真)も、いつも使っているアライ製ではなく、フェラーリ御用達のシューベルト製で、ヘルメット・サイドの日の丸がやけにフェラーリに合っている、と勝手な想像も膨らんだ。
しかし、即座に可夢偉がフェラーリに乗る、というのは時期尚早? けれど、WECドライバーからまた一歩、前進したことも確かだ。
可夢偉がフェラーリに乗れる可能性は、今のところ何とも言えない。マネージメントを含め、どこまで気配りができるか、特にホンダ復帰でジワリ”F1温度”が上昇を始めている日本で、今後可夢偉陣営がどう動いてくるか、注目されるところだ。
[STINGER]山口正己
Photo by Ferrari S.p.A