[STINGER覆面座談会]–モンツァの不思議な巡り合わせ 1/2
伝統のモンツァ。フェラーリのお膝元でもあり、一種異様なムードの中で展開する。モンツァ公園の森の中で闘われるイタリアGPは、毎年、ドラマが待っている。
ミーハーA子(以下、A):モンツァは、モナコ、シルバーストンと並ぶ歴史的なコースですよね。
事情通B(以下-B):歴史が長いだけではない独特のムードがモンツァにはある。
通りがかりの怪人Mr.X(以下、Mr.X):モンツァの森の中では毎年、”なにか”が起きている。
B:まぁ、毎年じゃないけれど、あたかもそうであるような錯覚に陥るほど、さまざまなことが起きますね。
A:え〜、そうなんですかぁ!!
A:あ〜、セナがトップだったのに!!
B:プロストとセナが戦列を去り、勝ったのはフェラーリのゲルハルト・ベルガー。チームメイトのミケーレ・アルボレートも2位に入ってフェラーリの1-2だったんだけれど、そこに実に興味深い数字の重なりがあったんだよ。
A:え、なになに??
B:勝ったベルガーのカーナンバーは、28だったのは知ってるでしょ?
A:フェラーリの英雄、ヴィルヌーブのゼッケンが27で、つづきの28もフェラーリだったかしら。
B:そう。でね、その日、1988年9月11日は、フェラーリの創始者エンツォ・フェラーリが亡くなって、28日目だった。
A:え〜!! 28日目にゼッケン28が優勝したんですね!!
B:それだけじゃないんだ。
A:まだあるの!?
B:アラン・プロストがエンジンのトラブルで消えた後、トップを走っていたアイルトン・セナは、周回遅れのジャン-ルイ・シュレッサーを抜こうとして接触して、あっけないリタイアを喫したんだけれど、そのシュレッサーは、1968年フランスGPで、たった1戦だけ実戦を走った幻の空冷エンジンF1カー、ホンダRA302で他界した、ジョー・シュレッサーの甥だった。
A:じぇじぇじぇ〜!!
B:J.L.シュレッサーは、体調不良で欠場したナイジェル・マンセルの代役としてウィリアムズのシートに座った。
A:ウンウン。
Mr.X:そのウィリアムズの期待を裏切る形で、ホンダは、ウィリアムズと決別してマクラーレンにエンジン供給することになったんじゃな。
A:巡り巡った因縁ですか?
B:かもしれないし、単なる偶然かもしれない。でも、いずれにしても、モンツァは、そういうストーリーを醸しだすなにかを持っているってことだね。
A:あ、あと1週間後のイタリアGPが気になってきたァ!!
Photo by WILLIAMS F1 TEAM
【編集:STINGER】
【編集:STINGER】