話題の映画『ラッシュ』、鈴鹿で公式会見!!
『ラッシュ—プライドと友情』の正式発表会が、2013F1GP第15戦のスケジュールが始まった11日、鈴鹿サーキット内のサーキットホテルで行なわれた。
配給元GAGAの代表のあいさつに続いて、この映画のモデルになった主役のニキ・ラウダが登場、制作に協力した経緯や、映画を鑑賞した感想、宿敵ハントとの思い出を実にラウダらしい真摯な対応で語った。
当初、ドキュメンタリー制作を相談されたラウダは、”自分の仕事がてとつもなく増えてしまうことを懸念して”申し出を断ったものの、監督のロン・ハワードの熱意に押されて協力を承諾。
自分を演じることに決まった俳優のダニエル・ブリュールに対面し、”私を演じるのは大変か”と訊いた。ブリュールは、”とても大変と思う。まず、アナタが生きている。そして、テレビなどで多くの人に知られているから”と答えたという。
ブリュールは、その後、ラウダを徹底的に研究し、映画の中では、展開が進む毎に、表情はもらろん、しゃべり方やイントネーションまで、淡々と理路整然と喋る実際のニキ・ラウダにどんどん近づき、最終場面では、本人かと見紛う役作りに成功している。会見の質疑応答を聴いているうちに、そこにいるのがブリュールのような錯覚に陥るほどだった。
会見の質疑応答でラウダは、『RUSH』を初めて完成作品を観て気に入り、その後、世界各国で繰り返し観て気に入ったというその映画の最も印象的な場面は?という質問に、いかにもラウダらしい、以下のようなコメントで応えた。
「印象的な場面は二つある。まず、アクシデントの後にハントに初めて会う場面だ。アクシデントの後、復帰の会見やインタビューで、誰も私の目を見てくれなかった。みんな、見るのは、半分になった耳や火傷の痕だった。映画でハントが事故後の私を最初に観たときの反応を観て、みんなにどう見えていたのかが理解できた」
「もうひとつは、第三者的に観た治療の場面だ。私は懸命に治療に集中していたが、その私を、妻や周囲が、どのように見ていたのかが、映画を見てよく理解できた」
一方、多くの女性と関係を持った自由奔放なハントの描写について、実際のハントは、どんな人物だったのか?という質問に、「彼は、もっとワルだったよ(笑)」と場内の笑いを誘った。
「知っておいてほしいのは、70年代は、ウッドストック(音楽祭)が盛り上がった。裸で大騒ぎするような、今とは違う時代だったことだ。そんな中で、遊び方も、”イッテシマッタ”状況だったからね。レーサーは命を賭して闘っているので、レース後から水曜日までの3日間はできる限りで楽しく過ごそうとしていたけれど、ジェイムス(ハント)は、週のうち7日間、ずっと楽しんでいたよ。あれは羨ましかった(笑)」
『ラッシュ—プライドと友情』は、2014年2月 TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショーされる。
◆タイトル:『ラッシュ—プライドと友情』(原題=『RUSH』)
◆監督:ロン・ハワード(『バックドラフト』『遙かなる大地へ』『アポロ13』『ビューティフル・マインド』『ダ・ヴィンチ・コード』『天使と悪魔』『フロスト×ニクソン』)
◆脚本:ピーター・モーガン(『クィーン』『ブーリン家の姉妹』『フロスト×ニクソン』)
◆出演:クリス・ヘルムズワース(『アベンジャーズ』)
ダニエル:ブリュール(『イングロリアス・バスターズ』)
オリヴィア・ワイルド(『トロン:レガシー』)
アレクサンドラ・マリア・ララ(『愛を読むひと』)
◆配給:GAGA(ギャガ)
photo by GAGA(ハントとラウダの映画ノワンシーン)/[STINGER]
[STINGER]山口正己