右京、嵐を乗り越え、次のステップへ!!
スタートで11ポジションアップのミラクル!!
フォーミュラ･ルノーALPSでフォーミュラカーデビューを果たした笹原右京は、2013年の集大成として、さらにハイレベルの”ウルトラ激戦シリーズ”のフォーミュラ･ルノー2.0 Euro Cupに参戦した。
カタルニア･サーキットでの参戦が決定したのは、レースウィークに入ってから。群馬の沼田に帰郷していた右京は、ユーロノバからの”指令”を受け、台風26号の荒天の中を、群馬から12時間かけて成田に向い、スペインのバルセロナに飛んだ。
金曜日から始まったスケジュールでは、2回用意されたフリー走行が、規定で1回しか許されず、ハンディを追わされ、さらにレース1では、こともあろうに同じ日本から参戦している金丸ユウと絡んで1周もせずにレースを終えた。
レース2も、クラッチトラブルが響いて予選26位に沈んだが、ここで右京スタイルの本領が炸裂した。スタートで11ポジションを上げるミラクル!! さらに5台を交わして10位でゴールしてみせ、ウルトラ激戦区のEurocup初挑戦にしてポイントを掲げた。随所でポテンシャルの片鱗を覗かせた右京に、本場の注目度はさらに高くなった。
世界中から、”我こそ未来のF1ドライバー”と言って憚らないハングリーな猛獣が集結するハイレベルの
闘いの中で、挑戦初年度から上位の成績を残すのは簡単だはない。しかし右京は、小さくまとまってそこそこ走るのではなく、今回も次につながるインパクトを残した。
次のステップは、今年も貫き通した”右京スタイル”のテンションを保ち続けること。間違いないのは、17歳が、スタート地点に立った、ということだ。
バーチャルのパソコンの中の世界に向かっている若者の中で、狭い日本から広い世界を視野に入れた17歳。そのドライビングセンスだけでなく、グローバルな思考回路と、苦境の中でも絶やさない笑顔に、期待せずにいられない。
photo by EURO NOVA
［STINGER］山口正己
