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ザウバー、真っ二つに切断したマシンの動画を公開

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ザウバー・F1・チームは、真っ二つに切断したマシンを解説する動画を、You Tubeで公開した。

マシンの解説は、チームのチーフ・デザイナーを務めるマシュー・モリスが担当し、切断されたマシンにセルジオ・ペレスが乗り込む様子を見ることができる。

動画はこちら↓

※以下は、チームが作成した翻訳を、一部STINGERのフォーマットにしたもの。<>内は動画のタイムコード。

<00:06>
マシュー・モリス(チーフデザイナー):
ザウバー・F1・チームみなさんご存じのようにF1はテクノロジーとモータースポーツの最高峰です。テレビや雑誌などでF1マシンをご覧になっていると思いますが、たとえばリンゴのようにF1マシンを真っぷたつに割ってみることができたらカッコイイと思いませんか。こんな感じに?

<00:22>
我々ザウバー・F1・チームが、それを実現しました。2年の歳月をかけてクルマを中心線でふたつに切ったのです。

<00:30>
F1マシンをデザインする際、課題のひとつがクルマを機能させるためのすべてのパーツのパッケージングと位置決めです。どんなパーツがあって、どこに配されているかごらんいただけますよね。後方から、ギヤボックス、クラッチそしてエンジンですね。さらにオイルタンクもあるし、燃料システムも見えます。ここには電機系のシステムがあるし、前にはペダルやステアリング機構もあります。

<00:54>
F1マシンは、重量物をできるだけ低く配置することが重要です。そうすることでクルマの重心が低くなり、パフォーマンスが高まります。

<01:05>
これはステアリング機構です。F1のステアリング・ホイールは、ただタイヤを左右に切るだけではありません。ドライバーがクルマやピットへ指示を出すインターフェースとしての機能を持っています。

<01:14>
無線:ブーストを少し使え]

<01:15>
マシュー・モリス:ステアリング・ホイールの裏側にはギヤシフトパドルと、クラッチパドル。そして正面には沢山のボタンがあります。ピットと話す無線や、エンジンのセッティングを変えるもの。燃料をセーブするためや、よりパワーがほしいときなど。そして小さなコンピューター・スクリーンには、走行中のタイムから、クルマに問題があった場合の警告サインなど、さまざまなデータを表示することができます。

<01:35>
ステアリング・ホイールは、狭いスペースを通るステアリング・コラムにつながります。この薄いカーボンチューブはペダルの間を通ったあと、さらに角度を変えて、ステアリング機構につながります。

<01:46>
このステアリング機構は、ルールによって非常にシンプルな構造となっており、一般車のものと非常によく似ています。ただ、非常に小さくて軽いですけどね。

<02:00>
こちらがシートです。ドライバーのスグ後ろ、おそらく50ミリも離れていないところに、非常に可燃性が高い燃料を積む燃料タンクがあります。このタンクはケブラーでできているのですが、水平のバッフル(仕切り板)がたくさんあります。このバッフルがないと、大きなGがかかるブレーキングやコーナーリング中に、燃料がタンクのなかで動き回ってしまいます。

<02:23>
それぞれのバッフルにはフラップバルブが付いており、燃料が下の層に行くことができますが、上の層にはいけません。燃料が減っていくと、もう上の層に上がることはありません。これも常に重心をできるだけ低く保つためです。

<02:38>
多くのポンプやパイプがあります。この位置はエンジンに最適に供給するために考えられています。さらに燃料タンクを「呼吸」させています。

<02:49>
これまで、クルマに搭載しているパーツについてや、その搭載方法などを話してきましたが、ここで最後のパズルのピース、ドライバーの置き方に移りましょう。多くのひとがドライバーはクルマのもっとも重要なパーツだといいます。では、彼をこちらに。

<03:01>
セルジオ・ペレス(ドライバー):とにかく健康であること大切なんだ。普通の座り方じゃないから、たくさんのGもかかる。特にクラッシュしたときなんかね。僕は去年モナコで大きなアクシデントに遭った。だからこそ、安全なクルマであることを知ってるんだ。

<03:14>
マシュー・モリス:ではあなたを入れてみましょうか?
セルジオ・ペレス:もちろん。

<03:17>
マシュー・モリス:座り心地はいいかな?
セルジオ・ペレス:う〜ん、それはどうだろう。
これが実際の座り方です。2時間座り続けるのに、楽なポジションではないですね。

<03:27>
マシュー・モリス:クルマの構成パーツをできるだけ低く搭載することいついて話しました。我々にしてみるとあなたももう一つのパーツです。
ご覧のように、路面から10ミリも離れていません。
セルジオ・ペレス:(クルマの)底からね。
マシュー・モリス:レースをしているときに、あなたは感じていますよね。

<03:45>
マシュー・モリス:背中がすこし熱くなるのは、クルマの車高があまりに低いかどうか知るいい目安でもあります。
セルジオ・ペレス:まるで小さなトーチで焼かれるみたい。
マシュー・モリス:そう。

<04:00>
マシュー・モリス:F1では安全性に最大限の配慮がされています。こちらは消化器システムですが、これはドライバー、もしくはコース・マーシャルが起動することができます。シャシーそのものもドライバーにとってはひとつの大きな安全避難場所です。カーボンハニカム構造によって非常に頑丈、そして軽量にできています。そのほかにも、頭部の負傷を防ぐためのヘッド・パッディングや、ドライバーの頭の上や、ドライバーの前にも衝撃吸収構造体があります。さらにクルマの前部には、衝撃を吸収するためのスペースもあります。

<04:33>
F1マシンには、私のリンゴを置けるような無駄なスペースがありません。
正面からの衝撃テストのためにあるこのスペース以外はね。

<04:45>
さて、ザウバー・F1・チームのカットアウェイカーを楽しんでいただけましたか? どうもありがとう。

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