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“シェイクダウン”という言葉が復活した合同テスト

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フェラーリのメカニックの装備。電気に近い担当ほど、防御レベル

が高くなる。メカニックは、オレンジ色の袖の長いゴム手袋、白い軍手タイプ、青い洗濯用的な手袋をそれぞれ装着してテストに挑んでいる。

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ヘレスで始まったF1合同テストは、”ある傾向”が見えている。ある傾向とは、初走行が、シェイクダウン本来の姿に戻った、ということだ。

シェイクダウンとは、直訳すると、「揺すって落す」である。新しいクルマをサーキットに持ち込んで、設計とおりに機能するか、まずは”揺すって”問題のないことを確認する。最近は、”ロールアウト”、という表現が使われることが多くなっているが、チームの不安や期待を意味しているシェイクダウンという表現が、最近はシミュレーション技術が進化して、ほとんど死語と思われていた。

しかし、今回の合同テストは、シェイクダウンというフレーズがピッタリはまる、ある意味懐かしいイメージの中で初日がスタートした。

そのイメージとは、トラブルが多発している、ということだ。

レッドブルは、3周しか走れなかった。マクラーレンは、電気系統のトラブルを解決できず、最後までピットガレージのシャッターが開くことはなかった。

メルセデスは、長いストレートからのブレーキング部分でフロントウィングが脱落し、ルイス・ハミルトンは軽くクラッシュした。ドライバーはもちろん、マシンの損害は小さかったが、破損する場所によっては、危うい状況も想定できた。

可夢偉が所属するケータハムは、朝8時45分の発表会の予定が、6時間遅れとなったが、エンジンをかけてスタートするまでに、目隠しのシェイドを5回開け閉てした。

チームに復帰したキミ・ライコネンの手で、初日の最速タイムを記録したフェラーリも、朝9時過ぎに、メルセデスに続いてコースインした時に、コース途中でストップして、ライコネンはオフィシャルカーで”救出”され、F14Tはレッカー車のお世話になった。

要するに、どのチームも、なんらかのトラブルに見舞われたのだ。これは、今年の規則変革がいかに大きなものかを物語る事実として、シーズンが混乱しそうなことを予感されているが、それはそのまま、”どうなるかわからない”という、ファンにとっては、嬉しい状況ともいえる。

“驚愕のノーズ形状”に話題が集まりがちだが、シェイクダウンテスト”という言葉の復活が、F1に新たな風を巻き起こしていることは間違いなさそうだ。

[STINGER]山口正己
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