◆可夢偉と代役メルヒの”真実”?!
フリー走行で”合格”(?)の走りを披露したメルヒ。
7月末のハンガリーGPから1カ月以上のインターバルを置いて、小林可夢偉はモンツァで始まったイタリアGP金曜日の午後のフリー走行2で、アップデイトを受けたケータハムに初めて乗った。午前中のフリー走行1は、ロベルト・メルヒがステアリングを握ったためだ。
メルヒ(Roberto Merhi )は、23歳のスペイン人。フォーミュラ・ルノー3.5やDTMの上位を争うなかなかの逸材だ。
メルヒの名は、スパ(ベルギーGP)でケータハムをドライブしたアンドレ・ロッテラーに続いて、可夢偉を脅かす(?)存在として名前が浮上していた。今回は、フリー走行1だけだったが、シンガポールでは、可夢偉に交代する、という噂が消えていない。
メルヒは、フリー走行1でケータハムのコクピットに収まり、29周(クビアト+トロロッソ、マグヌッセン+マクラーレンに次ぐ3番目に多い周回数)を走り込み、チームメイトのマーカス・エリクソンより速いタイムを記録した。
今回のフリー走行は、スーパーライセンス取得のためのテストの意味もあったとされるが、結果的にミスなくこなして”合格”だったといえそうだ。
負けるな、可夢偉!!
ただし、そもそも”スーパーライセンスのため”という理由じたい眉唾もの。さまざまな駆け引きの中で、ケータハムの新しい首脳であるコリン・コレスが、ある意味の揺さぶりを可夢偉およびそのマネージメントにかけている、という観方もできなくもない。
可夢偉にスポンサーがついたとして、それをコレスが聞きつけて、ハイエナのように狙っている?
ちなみにメルヒは、「資金をもっているわけではない」と言っているが、もしかすると、”持っていない”というのは彼のブラフかも。走る以前の闘いに、可夢偉陣営が巻き込まれているのは間違いのないところだ。
午後に久々のドライブを冷静にこなした可夢偉は、1 時間半のフリー走行2で32周を走り込み、エリクソンより速いところをキッチリ見せた。
メルヒと可夢偉、今後は、ウデではなく、裏側の闘いをどう進めるかということになる?
photos by CATERHAM F1 TEAM / LAT Photographic
[STINGER]山口正己