気になるチャンピオンの行方?!
◆ロズベルグかハミルトンか?(ドライバーズ・チャンピオンシップ)
ハミルトンがイタリアGPに勝って25ポイントを加え、2位のロズベルグが18点加算して、ポイント争いはロズベルグのリードが22ポイントに縮まることになった。
残りはシンガポール、日本、ロシア、アメリカ、ブラジル、アブダビの6戦。最終戦がダブルポイントということもあって、ワールドチャンピオンの行方は、ロズベルグなのかハミルトンなのか、わからなくなった。
残り6戦で最終戦が倍のポイントとなると、全レースで優勝すると25×5+50=125点をかせげることになり、現時点でランキング6位のフェッテルまでに権利があることになる。
事実上、それは不可能としても、ロズベルグとハミルトンの22点差は、ないと言っては言い過ぎにしても、どうにでも転ぶ差。次のレースでハミルトンが勝ってロズベルグがリタイアすれば逆転する差である。
しかし、逆の考え方もできる。優勝すれば25点だが、2位なら18点が加えられる。つまり、優勝しても、相手が2位ならば、その差は、最終戦を除けば7点しか縮まらない、ということだ。
どちらにしても、2014年ワールドチャンピオンの座は、メルセデスの二人に絞られたと言っていいだろう。
今後の焦点は、ハミルトンがチャンピオン経験を持っているのに対して、ロズベルグが未経験というところ。ワールドチャンピオン獲得には大きなプレッシャーがかかることを、ロズベルグはヒシヒシと感じているはずだ。
ベルギーGPでの同士討ち接触を、話し合いで解決した、というそのメルセデスの二人だが、間違いないのは、2014年ワールドチャンピオンには一人しかなれず、現在、二人にほとんど同じと言える権利があるということだ。
*ドライバーズタイトルポイント トップ6
1. N.ロズベルグ 238
2. L.ハミルトン 216
3. D.リカルド 166
4. V.ボッタス 122
5. F.アロンソ 121
6. S.フェッテル 106
◆白熱化する2番手争い (コンストラクターズ・チャンピオンシップ)
イタリアGPでウィリアムズが3-4位に食い込み、アロンソ+フェラーリがリタイアしてフェラーリがライコネンの10位=1点だけに終わったことで、コンストラクターズ・ポイントでウィリアムズがフェラーリを抜いて3位に上った。
タイトルはほぼ間違いなくメルセデスに決まりだが、コンストラクターズ・ポイントは、2台で最大25+18=43ポイントかせげることで、こちらも、2位以下が混沌とした状況になっている。特に気になるのが、フェラーリとマクラーレンである。
フェラーリは、シーズン開幕後にチーム代表を交代する人事改革を行なって注目を集めた。人を代えれば済むほど問題は簡単ではないことが結果として証明されているが、開発の状況を観るに付け、ここから先も、新代表のマルコ・マティアッチは針のムシロに座った状態が続きそうだ。
とはいえ、レッドブル、ウィリアムズ、そしてフェラーリの2番手争いになんとか勝ち抜いてほしい、というのは、イタリアのファンだけではない願いのはずである。
そして、ロン・デニスが指揮官に戻ったマクラーレンのふがいなさも気になるところ。若くて元気なケヴィン・マグヌッセンに触発されたジェンソン・バトンが、引退の噂が流れる中でいつになく果敢なレースを見せてはいるが、第13戦イタリアGP終了時点で、格下と言っては失礼ながら、フォース・インディアに、僅か1ポイント差に迫られている。
その一方で、来年からパワープラントを供給するホンダの新井康久F1プロジェクト責任者は、「初年度に勝利を挙げたい」とFIAのインタビューでコメントしているが、メルセデスが優れているのは、確かにパワープラントもあるけれど、そればかりではないことを忘れているのかもしれない、と余計な心配が頭を過る。
ともあれ、泣いても笑っても残り6戦。2014年F1GPは、いよいよ佳境を迎える最終段階に入った。
*コンストラクターズポイントトップ6
1. メルセデスAMG 454
2. レッドブル 272
3. ウィリアムズ 177
4. フェラーリ 162
5. マクラーレン 110
6. F.インディア 109
Photos by
MERCEDES AMG PETRONAS Formula One Team(イタリアGPのポディウムのロズベルグとハミルトン)
INFINITI Red Bull RACING / Getty Images (フェッテル)
Pirelli & C. S.p.A. – Pirelli Tyre S.p.A (イタリアGPのスタート)