ビアンキのアクシデントの経緯
クレーン車に接触した後、ガードレールに当たって停まった。マルーシア車の左半分は、粉砕されている。
2014年10月5日の日本GP決勝終盤、痛ましいアクシデントが起きた。
小林可夢偉+ケータハムのライバル、マルーシアのエースであるジュール・ビアンキが、S字コーナーを駆け上がった先の通称『ダンロップ・コーナー』でコースオフし、作業中のクレーンに衝突した。
現場に居合わせた[STINGER]スタッフは、状況を、FIA(国際自動車連盟)に報告するために、写真と、追って紹介する現場の状況を示す図を届けた。
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◆事故はダンロップコーナーで発生した。雨はかなり強く降っていた。
◆ビアンキの事故直前、コースはスーティルのクラッシュ処理のために、”いつでも停止できるスピード”を告知する黄色旗二本、通称”ダブルイエローフラッグ”が振られていた。
◆現場は、S字を立ち上がって緩く左に曲がり込む『ダンロップコーナー』のアウト側。まずはエイドリアン・スーティルがドライブするザウバーがコースオフして、外側のランオフ・エリアにクルマを停めた。
◆コースマーシャルが、クレーン車でスーティルのマシンを吊り上げ、エスケープ・ゾーンへ向けバックし始めた時に、次のアクションが起きた。
※”12″と書かれたコースポストは、現場を過ぎた場所にあり、この時点では、手前のボストで提示されているダブルイエローフラッグの規制が、ここから解除されることを示すグリーンフラッグが提示されている。
◆スーティルに続いて、同じ場所でコースオフしたジュール・ビアンキのマルーシアが、クレーンリア部分に、衝撃音とともに激突。
◆マルーシアは、左中央部からリアにかけて、クレーンのリア部分と地面の間に入り込み、マシンは奥のタイヤバリアに左フロントがクラッシュする形でストップした。
◆タイヤバリアでストップした後も、左リア部分はクレーンの下に入り込んだままだった。
◆コースマーシャルが即座に対応に当たるが、クラッシュの衝撃で、左リアタイヤは、右リアタイヤと隣り合って並ぶ形に変形し、コースオフしたときのスピードと、衝撃の強さを語っている。
◆事故発生時刻はおおよそ16時48分。
ビアンキの事故発生の2分15秒後、ドクターカーが到着した。時間からして、ポストから赤旗要請がコントロールタワーに伝わってドクターカーが出動したと思われる。
※ドクター・カーは、セーフティ・カーを2コーナーで追い越す形で現場に急行した。
◆その20秒後、メディカルスタッフが現場に到着。
※酸素マスクを装着されたビアンキは自力で脱出することは出来ず、ブルーシートで覆われた中で救出作業が行われた。
※事故発生から8分後、16時56分頃、担架に乗せられたビアンキは、救急車で搬送された。
◆その一部始終を、エス
ケープゾーンからスーティルと、ブラッド(レッドブル契約フォトグラファ)の二人が心配そうに見守っていた。
ケープゾーンからスーティルと、ブラッド(レッドブル契約フォトグラファ)の二人が心配そうに見守っていた。
ビアンキは、病院に搬送され、頭部の手術を受けた。その後の詳報は、FIAから発表が在り次第、お届けする。
フォト&レポート/[STINGER]深谷僚一
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[STINGER]は、病院に搬送されて手術を受けたジュール・ビアンキが、一日も早く快復して、元気な姿をサーキットに見せることを、心からお祈りします。