F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集

ルイス･ハミルトン（以下、ハミルトン）:この週末、そしてレース、周りからとてもプレッシャーを受けていたよ。それを無視しようとしたし、できるだけ集中を保とうとした。昨晩はあまり寝れなかった。午前1時にベットに入って5時には起きてしまった。

今朝は走ったり、いろいろして、レースに行く頃には疲れてしまった。でも、僕は落ち着いた気分だった。朝食の時に、家族が来て、僕を驚かしてくれた。それは本当に素晴らしいことだったよ。僕はかれらにここに来て欲しかったけど、すごく厳しい週末になることはわかってたから、彼らと一緒にいられるかわからなかったしね。

信じられないほど素晴らしい年だったよ。間違った選択だって言われたけど、去年、このチームに来る判断をした。去年と今年のステップは、信じられないくらい。ファンのサポートもとても素晴らしかった。これまでこんなにサポートをもらったことはない。人生で最高の瞬間だね。幽体離脱(out-of-body experience)したような感覚だよ。ここで起きたことを観ているような感じだよ、本当に起きたわけじゃないけど。僕は本当に、感謝と祝福を贈りたい。

ハミルトン：僕は新しいチャレンジを見つけようとは思わない。 このチームに入った時に言ったように、僕は一緒に築き、成長する一部になりたかったし、そうすれば、それまでないような成功となることがわかっていた。今まさにこの始まりと感じてるよ。僕たちはまだ来年以降も契約があるし、特に急がない。ここはマイホームだよ。僕はとてもハッピーだ。明らかにチームは素晴らしい仕事をしたし、僕はこれから先ずっとチームに感謝するよ。

ハミルトン：僕達が勝った時も負けた時も一緒だよ。この週末、ファンは僕のウェブサイトにいろいろなメッセージをくれた。うまく説明できないけど、あたたかさとポジティブなエネルギーをファンからもらった。本当にありがとうと言いたい。ファンは悪い時も助けてくれたし、トップにいるときは更にね。今日、旗やキャップを見るとなんでもできると思わせてくれるね。本当にありがとう！

ハミルトン：2007年は最悪だった、明らかに自分でコントロールできずにチャンピオンシップを失った。2008年、フェリペ（･マッサ）はレースに勝った。僕は最終コーナーのほんの数秒でチャンピオンシップを勝った。負けたり、勝ったり、負けたりと、素晴らしい経験をしたよ。僕はまだ成熟していなかったからね。今日と同じようにレースにアプローチできていなかったんだ。今日は少し神経質になってたけど、とても落ち着いた気持ちでレースに入って行くことができた。

ほんと奇妙だね。これは、明らかに良いことだよね。レースでクルマに何かが起きてしまえばチャンピオンシップは終わってしまう。昨夜は、普通に、すべてのネガティブな可能性について考えた。そして、ポジティブに持って行くことが難しかった。それで今日、レースを通じての知識と経験が僕にはあった。チャンピオンシップを獲得するのに良いポジションにいたし、明らかにニコのクルマに問題があって、ポイントを失ったことで助けられた。僕はフェリペとファイトすることができた。最も充実した経験だったね。

ハミルトン：一年ずっと厳しい関係だったね。良い時もあったし、悪い時もあった。間違いなく、僕達の友情や関係はずっと昔からのもものだ。そしてこれからもね。今年、ニコはとても手強かった。素晴らしい仕事をしたね。彼はこれから先も速くなるだろう。僕は来年、予選のペースを
あげないとね。そして、今日のようにどちらかが勝つ。僕たちは二人共それを望んでるよ。僕たちはその関係で、チームを引っ張り続けるし、一年をとおして一緒に働いていくよ。おそらく、今は少し楽になった。レースの後、ニコは僕に潔く会いに来てくれた。それをできるのは素晴らしいよね。僕はチャンピオンシップを失うことがとても、とてもタフなことを知っているからね。僕たちはこれからも一緒にやっていくよ。

ハミルトン：スパはどん底だったね。数年間を振り返っても、とても困難な出来事だった。今年したことはもう繰り返さないよ。僕は別の方法を選ぶよ。歳を重ねて成熟したから、違う視点をもって、違う方法で取り組むことにしたんだ。僕は、その後の日々を考えて、違う領域に僕のフォーカスを変えることにした。僕は少し違うアプローチで次のレースに戻ったよ。僕がしたことを正確に説明できないけど、来年のレースでも必要なことだ。僕は週末に勝つためのアプローチを微調整したんだ。僕はまだ改善しないとね。予選は今年も良かったけど、もっと良くしないとね。予選順位が良ければ、もっとイージーになるよね。なぜなら、レースペースはとてもいいんだからね。

ハミルトン：僕はチームにパワーを落とした時のことを尋ねたよ。ニコと僕のギャップは広がり始めていたのがわかったから、問題ないと思ったけど。僕はペースを落として、タイヤをいたわって、縁石を避けることにしたんだ。

今日はすべてうまく行くと信じてた。クルマはとてもいい感じだったし、最後までプッシュできたよ。僕はレースに勝ちたかった。フェリペとバトルしたかったからね。フェリペはスーパーソフト・タイヤで追いついて勝とうとしてたけど、僕の後ろでマネージできたね。

ハミルトン：わからない。本当に信じられないくらい特別だよ。このチームはふさわしいポジションに素晴らしい人々がいる。僕とニコはこれからもチームをプッシュし続けていくよ。メルセデスの僕はベストなエンジンをコミットしてくれるしね。今年は驚異的だったね。僕達が継続して改善して進んでいくことが本当に重要なステップだと思う。僕は、100%チームはそれをやってくれると信じてるよ。僕はみんなとのバトルを楽しみにしてる。

ハミルトン：ロス･ブロウン、ノルベルト･ハウグ、ニキ･ラウダ、ディーダー･ツェッテェ（メルセデス会長）、そしてすべてのボードメンバーを信じていた。特に僕をマクラーレンでF1に導いてくれたロン･デニスとノルベルト･ハウグもね。

ラップトップを持ったロスが、僕と座ってお茶を飲んでいるなんて、ほんとシュールだよ。何年も、彼の成功をテレビで見ていたからね。「Oh My God ! ロスが僕を求めている。以前は、マイケル（･シューマッハ）を求め、そして今、僕を求めている」ってね。すごく奇妙だった。ずっと感謝している。Happy Birthday! 僕は今、ここにいるから行けないけど、後で間違いなく彼に言いたいね。僕をこのチームに呼んでくれて本当に感謝していると。そして、他のチームメンバーも本当にサポートしてくれた。彼らは勝利を熱望していたし、僕は完璧にフィットした。僕達はロスが正しかったことを証明してみせたんだ！

【翻訳：Masataka Hoshi】