可夢偉のスーパーフォーミュラ・テストをどう見る?!
12月11日、快晴の岡山国際サーキットで行なわれたスーパーフォーミュラのテストに、小林可夢偉が参加し、他を圧するベストタイムを記録した。このタイムをどう見るか。
出走は10台。午前中に2番手の中嶋一貴をコンマ1秒、午後には、2番手のヤン・マーデンボに0.6秒以上の差をつけて、いずれも可夢偉はトップタイムを刻んだ。さすが可夢偉、さすがF1ドライバーの面目躍如である。
このタイムを見て、一時代前のフォーミュラニッポンで圧倒的な才能を見せていた本山哲が、可夢偉と一緒に参加したとあるカート大会で可夢偉のタイムを見て、”可夢偉があれだったら、もう、限界”とコメントしたことを思い出した。つまり、本山ほどの才能の持ち主も、脱帽する可夢偉の速さ、ということだ。
今回のテストを見たホンダの中枢が、パワーユニット開発を少しでも効率よく進めるために、可夢偉が必要と思ってくれることを期待したいところだ。
しかし、冷静に考えるに、参加した10人のうち、現役バリバリのドライバーは、中嶋一貴だけであるところも見ておきたい。ロッテラーやデュバル、オリベイラが走っていたら、小林可夢偉は果たしてトップにいたかどうかはわからない。
しかし、今回、可夢偉にステアリングを託したチーム・ルマンの関係者は、[STINGER]の電話取材に、以下のようにコメントしたのも事実だ。
「元々トヨタからの依頼でテストになりましたが、エンジニアとのやりとりも、自分の意見をしっかり入れながら、的確な受け答えをしていて、さすがF1で鍛えられただけのことはあるな、と思いました。今回のテストは、可夢偉選手にとっては、いろいろな可能性の中のひとつだと聞いています」
可夢偉はテスト前を前に、自身のフェイスブックで、”12年ぶりに日本のサーキットを日本のレーシングカーで走ります”と表現していた。佐藤琢磨や、桜井孝太郎もステアリングを握る今回のテストは、2日間行なわれ、明日の天気予報は雨を報じている。
photo by from FB/Yoshimoto &[STINGER]
[STINGER]山口正己