ハミルトン、地元で歓喜の美酒!!–イギリスGP決勝
一時はウィリアムズに先行されるも、巻き返して優勝を飾ったハミルトン。
地元イギリスでルイス・ハミルトン+メルセデスが、雨が演出したドラマチックなレースを制した。シーズン5勝目、通算37勝目。ハミルトンがポールポジョンから母国グランプリに勝ったのは初めてだった。
スタートから波瀾が連発した。まず、グリッドを最も効率よく蹴飛ばしたのは、予選3-4番手のウィリアムズ勢。 予選3番手のマッサ+ウィリアムズが、フロントローに居すわっていた2台のメルセデスを交わしてトップへ。4番手のボッタス+ウィリアムズもそれに続いてウィリアムズが1-2体制に。ハミルトン+メルセデスは執拗にボッタス+ウィリアムズに食い下がったが、ウィリアムズの2台が先行してレースが進んだ。
スタート直後の後方集団で、2台のロータス、2台のマクラーレン・ホンダが同士討ち!! 絡んだロータスを避けようとしてアロンソ+マクラーレン・ホンダがスピン、バトン+マクラーレン・ホンダの横っ腹に突っ込んだ。バトン+マクラーレン・ホンダとグロジャン+ロータスは、そこでレースを終え、マルドナド+ロータスは1周してリタイアを決めた。
フロントウィングを壊したアロンソ+マクラーレン・ホンダは、破損したノーズをピットでを交換して戦列に復帰、最後までしぶとく走って10位に入賞した。アロンソはシーズン初、マクラーレン・ホンダにとってはモナコGPのバトン以来シーズン二度目の入賞となった。
中盤のピットインで、メルセデスが果敢な作戦を敢行したが、ウィリアムズは手堅く進め、その判断がレースを決めた。最初にタイヤを交換したハミルトンが、追ってタイヤ交換で僅かに手間取ったマッサの前に出て、そこで大勢が決まった。
しかし、ちょうど52周レースが折り返した辺りで、スタート時点から上空を覆っていた雲から雨が落ち、終盤のレースを混乱させた。
雨は時折強く、それも場所によって強さが違い、タイヤ選択と交換のタイミングが問われる展開だったが、ハミルトン+メルセデスは、好機を捉えてインターミディエイトに交換、そのままトップを護りきった。
真っ先にチェッカードフラッグを受けたハミルトンは、クーリングラップで観客席に近づいて、ドーナツターンをサービス。現在のF1は、パワーユニットやギヤボックスの使用制限があることから、パーツを温存したいところだが、ハミルトンの喜びは、その懸念を捨て去るほど大きかった、ということだろう。
2位に手堅くロズベルグ+メルセデスが食い込み、シリーズポイントは、ハミルトン194、ロズベルグ177と、3番手のフェッテル+フェラーリを大きく引き離している。しかし、シーズンは半分も終わっていない。
19戦の折返点となる次のF1GP第10戦ハンガリーGPは、ドイツGPが消滅したことで例年の8月上旬からスケジュールを早めて、7月26日にブダペストのオンガロリンクで決勝レースを行なう。
◆2015F1GP第9戦イギリスGPトップ10
1. ハミルトン+メルセデス
2. ロズベルグ+メルセデス
3. フェッテル+フェラーリ
4. マッサ+ウィリアムズ
5. ボッタス+ウィリアムズ
6. クビアト+レッドブル
7. フルケンベルグ+フォースインディア
8. ライコネン+フェラーリ
9. ペレス+フォースインディア
10. アロンソ+マクラーレン・ホンダ
11. エリクソン+ザウバー
12. メルヒ+マノー・マルーシア
13. スティーブンス+マノー・マルーシア
※以下、リタイア(括弧内は周回数)
サインツ+トロロッソ(1)
リカルド+レッドブル(3)
フェルスタッペン+トロロッソ(0)
マルドナド+ロータス(1)
グロジャン+ロータス(0)
ナッセ+ザウバー(0)
バトン+マクラーレン・ホンダ(0)
Photo by Photo by MERCEDES AMG PETRONAS Formula One Team