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空回りだった本田技研八郷新社長への質問

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本田技研の”未来”を語る八郷隆弘新社長。

7月6日、本田技研工業は、6月に新社長に就任した八郷隆弘代表取締役社長執行役員の就任会見を行なった。

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当然、自動車関係マスコミだけでなく、経済紙誌のジャーナリストや記者など一般マスコミ関係者が集まり、八郷隆弘新社長のあいさつに続いて、質疑応答が行なわれた。


本田の業務は自動車という商品を売ることであり、多くの、というよりすべての質問が、その商品の作り方や売り方について集中した。

その中で、唯一、F1に対して[STINGER]として質問した。質問というより、現状のホンダのF1活動の神髄を、集まった一般紙誌の関係者に、社長の言葉として認識してもらいたかったからである。

そして、そこで醸成される”夢”こそが、今の本田技研にもっとも必要と思ったからだ。

しかし、狙いは完全に外れた。

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STINGER:就任おめでとうございます。

質問の骨子をお伝えするのは若干難しいかもしれませんが、F1のことでお伺いします。

さきほどの、グローバル6極化に対する質問の答で、”数ではなくて夢”とおっしゃっられたのは非常にホンダらしくて素晴らしいと思いました。

※グローバル6極化:日本、中国、アジア大洋州、北米、南米、欧州の”6極”を活性化し、2016年には世界で600万台の販売目標を伊東孝紳前社長が掲げたもの。

しかし、その夢の対象として観ているF1の活動には、夢を感じられないと思います。なぜそうなのかというと、活動じたいがよくないのではなくて、代表者の方のコメントに、F1に対するリスペクトがないと感じられるためです。

差し出がましい言い方なのですが、”まず、F1は高度な世界である。そこに我々はチャレンジしていく。高いからこそチャレンジしがいがある。時間がかかるかもしれないけれど、しばらく待ってください”というような言い方をしてくれば、夢を持てると思いますが、八郷さんはF1に対してどんなイメージをお持ちでしょうか?

八郷社長:F1につきましては、厳しい状況にあって残念に思っています。ご質問にありましたように、責任者の言葉はもしかしたら言葉足らずだったかもしれませんが、私としましては、一刻も早くF1に勝利したい、というふうに考えています。

ただ、それに向けては、いろいろ課題もございまして、着実にその課題を潰し込んでいかなければいけないと考えていまして、やはり、勝負の世界ですので、早く勝利したいという気持ちは、F1チーム全員の気持ちだと思っています。

一生懸命頑張って、早く勝つようにしようと、常々言っています。少し待って勝てばいいんじゃないか、というようなご意見もあるかと思いますが、そうではなくて、早くF1で一勝できるような体制を作っていきたいと思っています。
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時間切れで、そこで次の質問者にマイクが渡ったが、伺いたかったのは、勝ちたいかどうかではなかった。勝てるかどうかは別のことだが、参戦するなら、勝ちたいと思うのはどんなチームでも当たり前のことだからだ。メルセデスでもルノーでも、フェラーリでもマルーシアでも、勝つために参戦している。もちろん、マクラーレン・ホンダもである。

八郷社長も新井康久代表と同じく、F1が高い山であることをコメントしてくれなかった。

そして、大きな勘違いと取れたのが、”少し待って勝てばいいんじゃないか、というようなご意見もあるかと思います”というコメントである。少し待っても、今のままでは勝てないことに気づいてほしい。

もしかすると、新井さんや八郷さんは、多くの日本人が誤解しているのと同じく、マクラーレン・ホンダが1988年の赤白時代のイメージのままだと思っていらっしゃるのではないだろうか。

コメントしてほしかったのは、大勢の経済紙誌の報道関係者に対して、改めてF1が高い山であり、だからこそチャレンジしがいがある、ということだった。

セナ/プロスト時代のマクラーレン・ホンダが16戦15勝するまでに、F2での準備期間を除いても、スピリット・ホンダとして参戦してから4年かかっている。いいわけとしてではなく、そういう高い山にのぼろうとしているのだ、ということをコメントしてほしかった。

間違いなく現状の不振は、少なくもと今シーズン一杯続くだろう。八郷社長は、F1以外のクルマ造りをトータル的にまとめて”チームが大切”とおっしゃった。現場をいかに効率よく動かすかが課題ということもコメントされた。キーワードは「チームHonda」と、骨子にも書かれている。

F1活動もまさしくチーム戦である。その舞台でそれを証明するために、まずは”現場”がF1のクォリティとそこで展開している闘いのレベルを正確に認識することが重要だ。八郷さんも、そうした”基本”は分かっているはずで、新井康久代表の前に、まずは八郷さんに
、F1GPについての認識を新たにしてほしいと思ったのである。

photo by [STINGER]

[STINGER]山口正己
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