重量で見えた、ブロウンからレッドブル!?
イギリスGPのスタート時点の重量が発表された。
FIAからのリリースは、エントリー順。マクラーレン、フェラーリ、BMWザウバーという具合にプリントされているが、グリッド順に並び替える(下表)と、レースを楽しむポイントが見えてくる。
◆フェッテル+レッドブルが重い!!
まず、今回最大の注目点は、ポールポジションのフェッテル+レッドブルが666.5kgとかなり重い燃料を搭載してQ3を走っていたことだ。
一般的に、「10kgの重さでコンマ3秒」と言われる。だがフェッテルのポール・タイムは、9kg軽いバリチェロ+ブロウンより2.5秒ほど速い。つまりフェッテル+レッドブルがバリチェロ+ブロウンと同じ重量だったとすると、コンマ5秒以上速い計算になる。この拮抗した戦いの中で、これは驚異的な差と言えるだろう。
フェッテルは、予選終了直後の会見で、「今週は最高だよ。小さなトラブルひとつなかったからね」と童顔に戻ってコメントしたが、レッドブルの速さは別格といってよさそうだ。
レッドブルは驚速。
◆ブロウンの優位は動いた!?
また、Q3進出の10台は、フェッテル+レッドブルを別格とすると、大きく二つに分けられる。中嶋一貴+ウィリアムズ、ライコネン+フェラーリ、アロンソ+ルノーの3台は軽めだが、他の6台がほぼ同じ重量と括ることができる。6台中の最も重いロズベルグ+ウィリアムズと最も軽いブロウンの2台(二人は同じ重さだ)の差は4kg。ここから、少なくとも、ブロウンがこれまでのように”圧倒的”ではないように見える。
ブロウンは、シルバーストンを舞台にした今週は、バトンが「アンダーステア」を訴えていると言われている。すでにトルコGPで勝ったゴール直後に、バトンのラジオにエンジニアが「アンビリーバブル!」と叫んだ話もある。勝って勝って勝ちまくった”ブロウン退屈症候群”は、そろそろ治癒の段階かもしれない。
しかし、ブロウンは三味線を弾いている、と言う声もある。シルバーストンはバトンの地元。期待が大きな”凱旋レース”は、ポールからスタートするより追い上げた方がバトンにとってやり易い!?
どちらが正しいか、日曜日の13時(日本時間21時)にスタートするレースに注目だ!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
予選順位 | No. | ドライバー | チーム | 総重量 | STG重量 | 目安 |
1 | 15 | フェッテル | レッドブル | 666.5 | 3.5kg | |
2 | 23 | バリチェロ | ブロウン | 657.5 | 12.5kg | ▽ |
3 | 14 | ウェーバー | レッドブル | 659.5 | 10.5kg | ▽ |
4 | 9 | トゥルーリ | トヨタ | 658 | 12kg | ▽ |
5 | 17 | 中嶋一貴 | ウィリアムズ | 652.5 | 17.5kg | ▽▽ |
6 | 22 | バトン | ブロウン | 657.5 | 12.5kg | ▽ |
7 | 16 | ロズベルグ | ウィリアムズ | 661.5 | 8.5kg | |
8 | 10 | グロック | トヨタ | 660 | 10kg | ▽ |
9 | 4 | ライコネン | フェラーリ | 654 | 16kg | ▽▽ |
10 | 7 | アロンソ | ルノー | 654 | 16kg | ▽▽ |
11 | 3 | マッサ | フェラーリ | 675 | +5kg | |
12 | 5 | クビツァ | BMWザウバー | 689.5 | +19.5kg | ▲▲ |
13 | 2 | コバライネン | マクラーレン | 695.5 | +25.5kg | ▲▲▲ |
14 | 8 | ピケ | ルノー | 682 | +12kg | ▲ |
15 | 6 | ハイドフェルド | BMWザウバー | 665.5 | 4.5kg | |
16 | 21 | フィジケラ | フォースインディア | 668 | 2kg | |
17 | 11 | ブルデー | トロ・ロッソ | 687.5 | +17.5kg | ▲▲ |
18 | 20 | スーティル | フォースインディア | 692 | +22kg | ▲▲▲ |
19 | 1 | ハミルトン | マクラーレン | 666 | 4kg | |
20 | 12 | ブエミ | トロ・ロッソ | 672.5 | +2.5kg |
<目安>
*670Kgを基準値として、重くなる場合は▲、軽くなる場合は▽
*▲と▽は、ひとつ=10~15kg、ふたつ=15~20kg、三つ=20kg以上