アロンソがメルセデス?!
空いた席に座るのはアロンソ? (※写真は、STINGERが合成したものです。)
メルセデスAMGのニコ・ロズベルグがタイトルを決めた数日後に突然引退を発表して世界を驚かせた。驚きが一段落すると、次は当然”後釜”が話題になっている。
そんな時、イギリスの信頼できるF1メディアであるスカイスポーツは、「メルセデスは、ロズベルグの代わりにアロンソを検討している」というニュースを伝えた。
フェルナンド・アロンソは、当然、マクラーレン・ホンダとの契約を結んだ状況にいるが、そこを含めて”交渉”をしていると考えられていたが、具体的にメルセデスのチーム代表のトト・ウルフがそれを認めた形だ。
メルセデスのトト・ウルフ代表はスカイスポーツのインタビューで、「フェルナンドを、経験、スピード、才能すべての点で尊敬している」と語り、「検討しなければならない」と続けた。
状況からして、メルセデスが送ったラブコールに、フェルナンド・アロンソがどう反応しているかの情報はないが、マクラーレン・ホンダがタイトル争いに加わるまでにもう少し時間がかかりそうというのが、アロンソ案を否定できない最大の理由だ。三度目のワールドチャンピオンを目指すアロンソにとって、メルセデスのシートの魅力は小さくはないだろう。
ただし、問題もある。来年、F1が大幅な規則変更で、勢力図がガラリと変わる可能性がある。去年だったら、アロンソは間違いなくメルセデスの求愛に色好い返事をしたと想像できるが、来年は、マクラーレン・ホンダが大化けして、メルセデスが減速という可能性もなくはない。
もうひとつ、アロンソはハミルトンと、2007年にマクラーレンで同じ釜の飯を食っているが、コンビはたった1年で解消している。ハミルトンがロン・デニスの溺愛を受けていたことで、アロンソが差別を感じたからだった。今回も、メルセデスですでにチャンピオンを取っているハミルトンに対して、後発のアロンソという関係になる。もしアロンソが契約書にサインするなら、ハミルトンとのイコールコンディションを主張するはずで、それをハミルトンが受け入れるかどうか、そしてトト・ウルフやニキ・ラウダ会長がそれを受け入れるかどうか、大いに疑問が残るところだ。
いずれにせよ、現状、もっとも妥当なポスト・ロズベルグはパスカル・ウェーレインというのが大筋の観方だが、アロンソ起用は、話の面白さとしては、ウェーレインの比ではない。
[STINGER]山口正己
写真素材:MERCEDES AMG PETRONAS Formula One Team 、McLaren Honda/LAT Photographic