アロンソのメルセデス入りはない!?
メルセデスのシートを巡っていろいろ噂が飛び交っている。
やれ、元デザイナーがどうの、ブリアトーレがどうのともっともらしい話が飛び交っているが、ここで、最も移籍の可能性が高いといわれているフェルナンド・アロンソのことを整理をしておきたい。
アロンソの気持ちはこうだろう。
◆タイトルを取りたい。
◆2017年のマクラーレン・ホンダはタイトル争いができない。
◆なのでメルセデスに行きたい。
たぶんここまでは正しい推測だろう。しかし、それはフェルナンド・アロンソ側の話だ。
アロンソが動くとなると、当然ながら移籍に関して、いくつか”関連”が出てくる。
まずはマクラーレン・ホンダ。
◆競争力を高めるためにアロンソは必須。
◆しかし、2017年はタイトル争いができない。
◆つなぎ止めるにはどうするか。
また、アロンソには、メルセデスに移籍するのは”タイトルを取るため”であるならば、条件がある。すでに2007年にルイス・ハミルトンとコンビを組んだことがあり、そのコンビは1年で解消している。それはルイス・ハミルトンに対して、自分の待遇がイコールコンデションではなかったからだ。つまり、
◆ルイス・ハミルトンとのまったく同等の扱いを要求する。
ちなみに、2007年のマクラーレンでのハミルトンとアロンソは、ともに4勝を挙げ、ポイントはまったく同点だった。
一方で、受け入れるメルセデスのサイドには、ふたつの関門がある。
ひとつは、ルイス・ハミルトン、そしてもうひとつは、チームとして。
◆ルイス・ハミルトンは、アロンソの要求である”イコールコンディション”を受け入れるとは到底思えない。
◆チームは2016年のハミルトンとロズベルグの関係で、”イコールコンディションの難しさ”をいやというほど味わった。したがって、ルイス・ハミルトンをナンバーワンにして、もうひとりは、『ナンバー2』に徹することができるドライバーを希望する。つまり、フェルナンド・アロンソは条件に合わない。
結論として、フェルナンド・アロンソのメルセデス入りはない。ナンバーツーに徹することができるジェンソン・バトンなら、可能性はある。
これが[STINGER]の結論だ。逆に、フェルナンド・アロンソのメルセデス入りがあるとすると、これは異常事態と言っていいことになる。
だから小林可夢偉には、ツイッターでメルセデス宛の履歴書と冗談を飛ばしている場合ではなく、本気でアタックをしてほしいと思う。
[STINGER]/山口正己
Photo by McLaren Honda/LAT Photographic