フィリッペ・マッサ、復帰?
2016年最終戦で引退をしたフィリッペ・マッサが、早くも復帰? つい先日まで所属した古巣ともいえないウィリアムズで、再びF1を走ることになったという。
F1GPが揺れている。2016年限りで、フィリッペ・マッサ、ジェンソン・バトン、そしてニコ・ロズベルグが引退した。ワールドチャンピオンがその場限りで去っていくのは、F1GPの歴史でも、極まれな出来事だ。
ドライバーだけではなく、まるで申し合わせたように余波が広がって、”辞めました”が流行した。メルセデスのテクニカルディレクターだったパディ・ロウがチームを離れ、ウィリアムズで3年間過ごしたパット・シロンズもチームに退職届けを出した。
その前に、マクラーレンでは、1981年からチームを牽引してきたロン・デニスがトップの座を共同経営者のマンスール・オジェーに譲渡し、VWグループからデニス代表に経営手腕を買われて呼ばれたヨースト・カピトもマクラーレンを離脱。新たに、エグゼクティブ・ディレクター(業務執行取締役)には、モータースポーツ界最大の広告代理店のジャスト・マーケティング・インターナショナルの創始者ザック・ブウランが就任した。
思えば、1988年に、ベネトンにブリアトーレがこまーシャルディレクターとして参加した辺りから、F1GPが”経営”されるようになり、ケン・ティレル、フランク・ウィリアムズのようなレース職人がチームを引っ張るレーシングチームが、様変わりしてきた。
いや、そもそも、1981年ロン・デニスが、”チーム運営”を新たなとらえ方をしてその引き金を引いた、という観方もできる。さらにその火種は、1968年にロータスのコリン・チャップマンが、ナショナルカラーを脱ぎ捨てて、ゴールドリースというタバコの色にマシンを塗ったところがとっかかりだったか。
ともあれ、商業ベースになったF1GPは、ここでまたさらに一歩、競争からビジネスに移行したのかもしれない。
そこに併せて、2017年には、大幅な車両規定変更が行なわれる。さて、2017年のF1GPは、いったいどんな展開をみせてくれるのだろうか。
[STINGER]山口正己