ルカ・バドエルの”二度目のデビュー”
ハンガリーGPで負傷したF.マッサに代って、フェラーリのテストドライバーを長年務めているルカ・バドエルにゼッケン3のフェラーリF60が託された。1993年にスクーデアリア・イタリアでF1にデビューした38歳のバドエルにとって”二度目のF1デビュー”となった。
バドエルは、木曜日の会見で、「テストではフェラーリにたくさん乗っているけれど、”フェラーリのドライバーとしてレースに出る”というのはまったく別の特別なこと。それが夢だったからとても嬉しい」、と感激のコメントをしていたが、1999年日本GP以来のレース初日は、たくさんの試練が待っていた。
初日の結果は、フリー走行1が20番手、フリー走行2が18番手だったが、セッション中にチームから、”フロントフラップを使え”、と無線で知らせられるなど、勝手の違う状況に戸惑いもあった。
また、午後のセッションで、三度にわたってピットロードでのスピード違反に問われている。最初は、14時11分に62.5km/h、二度目は、14時42分に61.5km/h、三度目は、14時44分に65.9km/h。最初の違反で600ユーロの罰金、二度目は「叱責」で済んだが、三度目は3000ユーロの罰金を言い渡された。
1時間で3600ユーロ(ざっと50万円)。長年のテストドライバーへのご褒美だったはずのレース参加が、あらぬところで”出費”となって、F1の厳しさを証明してしまった。
[STINGER] / Masami Yamaguchi