重量発表で作戦が見えた!!
予選トップ3。左から、3位のハイドフェルド、ポールポジションのフィジケラ、2位のトゥルーリ。
◆奇想天外!?
と言っては上位陣に失礼かもしれないが、ベルギーGP の予選結果は驚きなしにはいられないオーダーになった。
さらに驚いたのは、”圧倒的に軽い”と思われていたポールポジションのフィジケラ+フォース・インディアの重量が「648kg」とそれなりの重さだったということだ。つまり、フォース・インディアは”きちんと速い”。
ただし、2番手のトゥルーリ+トヨタは、トヨタのエンジニアが、「今日のヤルノは昨日のお兄さんで、ティモが昨日の弟」と、2位と7位の結果にジョークを飛ばしたが、予選2番手のトゥルーリが仮にフィジケラ+フォース・インディアと同じ燃料搭載量だったとしたら、”10kgでコンマ4秒”というデータから逆算して、軽くポールポジションを取れた計算になる。トヨタのポテンシャルはスパ-フランコルシャンではかなりのレベルにある、ということだ。
平穏無事にスタートが切られたとして、フィジケラ+フォース・インディアは、計算上、10周から11周目に最初のピットストップを行ない、その3周ほど後に最初のピットインをするはずのトゥルーリ+トヨタにトップを譲ることになるはずだ。
また、BMWザウバーの2台がQ3に進出したのも驚き。「撤退を発表すると、ホンダが撤退してブラウンが速くなったのと同じように、BMWザウバーも速くなる」というジョークも聞こえたが、ハイドフェルド+BMWザウバーはトゥルーリ+トヨタとほぼ同じ重量であり、それなりのポテンシャルを出せている、ということになる。
◆セフティカー出動の可能性
一方、後方スタートとなるドライバーは、中嶋一貴がいうように、軽くする奇襲作戦はここでは通用しないと見て、それぞれが重い燃料でスタートして”待ちのレース”を闘う作戦だ。ハミルトン+マクラーレンやバトン+ブラウンもその一派であり、19番手スタートの中嶋一貴+ウィリアムズも、706.1kgという最もたくさんの燃料を積み込んでスタートする。
土曜日の予選後に行なわれたGP2レースで、アクシデントが相次ぎ、ペースカーが何度も入った後にペースカーの先導のままでゴールを迎えることになった。F1でも荒れた展開も考えられる。となると、重めの燃料組にチャンスが出る可能性が見えてくる。
予選順位 | No. | ドライバー | チーム | 総重量 | STG重量 | 目安 |
1 | 21 | フィジケラ | フォースインディア | 648kg | -22kg | ▽▽▽ |
2 | 9 | トゥルーリ | トヨタ | 656.5kg | -13.5kg | ▽ |
3 | 6 | ハイドフェルド | BMWザウバー | 655kg | -15kg | ▽▽ |
4 | 23 | バリチェロ | ブラウン | 644.5kg | -25.5kg | ▽▽▽ |
5 | 5 | クビツァ | BMWザウバー | 649kg | -21kg | ▽▽▽ |
6 | 4 | ライコネン | フェラーリ | 655kg | -15kg | ▽ |
7 | 10 | グロック | トヨタ | 648.5kg | -21.5kg | ▽▽▽ |
8 | 15 | フェッテル | レッドブル | 662.5kg | -7.5kg | |
10 | 16 | ロズベルグ | ウィリアムズ | 670kg | +0kg | |
11 | 20 | スーティル | フォースインディア | 678.5kg | +8.5kg | |
12 | 1 | ハミルトン | マクラーレン | 693.5kg | +23.5kg | ▲▲▲ |
13 | 7 | アロンソ | ルノー | 684.4kg | +14.4kg | ▲ |
14 | 22 | バトン | ブラウン | 694.2kg | +24.2kg | ▲▲▲ |
15 | 2 | コバライネン | マクラーレン | 697kg | +27kg | ▲▲▲ |
16 | 12 | ブエミ | トロ・ロッソ | 685kg | +15kg | ▲▲ |
17 | 11 | アルゲルスォリ | トロ・ロッソ | 704.5kg | +34.5kg | ▲▲▲ |
18 | 17 | 中嶋一貴 | ウィリアムズ | 706.1kg | +36.1kg | ▲▲▲ |
19 | 8 | グロジャン | ルノー | 704.7kg | +34.7kg | ▲▲▲ |
20 | 3 | バドエル | フェラーリ | 691.5kg | +21.5kg | ▲▲▲ |
<目安>
*670Kgを基準値として、重い場合は▲、軽い場合は▽
*▲と▽は、ひとつ=10〜15kg、ふたつ=15〜20kg、三つ=20kg以上