山科忠代表は可夢偉の初日をこう見た
Q2にいったら合格、Q3に行けたら褒めてあげたい
小林可夢偉は、ティモ・グロッグの代役として急遽ブラジルGPでのデビューが決まった。天候不純の中での大役を、ミスなく順調に進めた可夢偉に、金曜日の朝にサンパウロに到着したトヨタF1チームの山科忠代表は、合格点を与えた。
—-可夢偉の初日はいかがですか?
山科忠チーム代表(以下、山科) まぁまぁ(笑)。
—-まぁまぁ、ですか?
山科 R.グロジャン(ルノー。GP2の同期生)に1勝1敗(フリー走行1で可夢偉が前、フリー走行2でグロジャンが前)なので(笑)。
—-ティモ・グロックの欠場は残念ですが、逆に、小林可夢偉選手にはチャンスになったとも。初日のフリー走行をご覧になっていかがでしたか?
山科 今朝、ここに来たのでP1は見られなかったのですが、初めてのドライで、まずまずの走りをしたんじゃないかと思います。大分遠慮して走っているんですね。映像を見てもそうだし、ブレーキも、ソフトに早めに踏んでいるみたいで、もっと攻めたらどうか、と周りから言われていました(笑)。
—-その余裕をもって走行した中で、FP2は、僅差の中での13番手でしたが。
山科 オプション(柔らかい方のタイヤ)でタイムを出すというトライに、手応えあるタイミングをだしてくれましたから、みんな”良くやっているね”、と。
—-昨日、本人は、チームのためにポイントを取るというのを明確にコメントしていましたが。
山科 ポイントは、運とか、周りの選手との関係の中で取れると思いますから、可夢偉のドライバーとして本当のパフォーマンスはクォリファイだと思ってまして、Q1からQ2に行ければまずは合格、Q2からQ3にいったら褒めてあげようと思います。ポイントは、Q3にいけば、粘り強い走りをすることで取れると思いますが、まずはQ3が、彼の今回の目標だと、私は決めています。
思った以上にクレバーなドライバー
—-小林可夢偉というドライバーはどんなドライバーですか?
山科 そうですね。しゃべりとか、ルックスから想像する以上にスマートなドライバーですね。よく考えています。今回も、タイヤがちょっと暖まらないと思ったら自分でバーンアウト(暖める走り方)をして、というようなことができる。それを見て、ピット・ウォールのメンバーもびっくりしたようです。
—-可夢偉選手の武器は、スマートさとかクレバーさ、ということでしょうか。
山科 スマートで、キレが出ればいいですね。彼の一番の持ち味である、ダラダラではなく”バン!”という一発のキレが出れば、ここでもやれると思います。ただ、初めてのコースですし、ドライでこのクルマで走ったのは、初めてなんですよ。だから、その意味では、いまのところはまぁまぁいい進み方をしていると思います。