トヨタ、予選失格!?
とっぷりと夜の帳が降りたアルバート・パークに衝撃が走った。予選6位と8位に入ったトヨタの2台が、予選タイムを抹消されることになったのだ。
理由は、「リヤ・ウィングがフレキシブルだからと指摘された」と新居章年技術コーディネーション担当ディレクター。21時15分に配布されたFIAからの”ドキュメントナンバー45″のレリースには、「カーナンバー9と10は、リヤウィングが極端にフレキシブル(extreme frexibility)」と書かれていた。
これに対して午後10時30過ぎに緊急会見を開いた新居TCDは、「チームで行なった確認には自信があった」としたが、「スチュワードの判定を尊重して、提訴はしない」と語った。
一時は”失格”の情報も流れたが、「予選タイム抹消」になる模様。新居TCDは、「明日のレースは、ピットもしくは最後尾からのスタートになりますが、問題なく走れることを確認しました。レース後の車検をクリアーすれば、順位も認められると思っています」と語った。
通常、予選を規格外のクルマで走れば、存在が抹消される形になるが、決勝に進出できる裏には、20台の数を減らしたくない、という主催者サイドの本音も伺える。また、特例で決勝に出走する場合、
通常なら他チームからの同意を得なければならないが、今回はそれも必要ないという。他チームにとっても、参加台数が減ることは歓迎できないことと理解できるが、仮にレースが荒れてトヨタが入賞した場合、物議をかもすことになることが十分に考えられる。
ところで、これまでトヨタは、他チームがフレキシブルウィングを使う中で、徹頭徹尾”動かさない”ことにこだわっていた経緯がある。今回の判断基準が、明確な数値ではなく”感覚”で下されたことに対して、釈然としないものもあり、新居TCDは、口には出さなかったもの、「どうしてだ?」と忸怩たる思いをにじませる表情だった。
ルノーとフェラーリが結託して刺したのではないか、という声も聞こえるが、トヨタは明日のレースに備えて、スチュワードから口頭で伝えられた内容に沿って、問題とされたリヤ・ウィングアッパー部分(フラップと思われる)を補強するなど、夜を徹して対策する手はずという。