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ロス・ブラウン メルセデス発表会会見全録 1/3

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新たなレギュレーションなどもあり、今年のマシンを作るに当たりあなたにとってどんなチャレンジがあったかお聞かせください
ブラウン 08年から09年への変化は、09年から10年への変化よりはるかに大きかった。今回の最大の2つの変化は、フロントが小さくなってリアの構造が変わったタイヤのサイズと、そして、もちろん給油がないということ。このため、よりたくさんの燃料を積むため全てのマシンが今までより長くなると思う。空力特性についてはレギュレーションの変化はないからその分野では変化はなく、つまり、09年にやってきたことがそのまま10年に受け継いでいくことができるということだ。こう考えると一番のチャレンジはやはり多くの燃料を搭載するための変更だろう。満載時で165〜175kgの燃料を積むわけだからね。

いつ新しいマシンの設計を始めましたか?
ブラウン 09年の春。そのときにはレギュレーションがわかっていたから、その時点で2010年マシンのコンセプトを考え始めた。09年中はこのプロジェクトに関わるグループが存在し、じょじょに大きくなっていっていた。09年にチャンピオンをとるためのチャレンジを行いつつ、同時に10年の新しいマシンを作るというチャレンジも進行していた。09年終盤でチャンピオンシップ争いをしているときは、09年のマシンにより力を注ぐ場面もあったが、そのとき以外はここ9ヶ月間、常に10年マシンに取り組んできた。さっきも言ったが、空力のレギュレーションは09年から変わっていなく、その分野では大きな変化がないため、大きな変化があった09年のはじめのような状況ではなかった」。

今日はメルセデスのミュージアムでこの会見をしているわけですが、この場で10年マシンを披露せずに、バレンシアまで伸ばしたことに理由はありますか?
ブラウン まだ準備ができていないためだ。単純に。同時にテストは4回しかなく、新しいマシンであることを考慮すると、全員にとってタイトなスケジュールであるということもある。最大限の時間を確保しテストに臨むためにも、今日の新車披露は実現しなかった。僕ら全員にとってマシンのパフォーマンスが最優先事項であるから、今日チームの発表とカラーリングの披露のみとした。マシンはバレンシアで見ることになるが、それはテストに向けて最大限の準備がしたいからだ。また、バレンシアでの初テストは、マシンの最終的な仕上がりではなく、バーレーンの前にさらに大きなアップグレードを予定している。バレンシアのテストで走らせるマシンはシャシーなど基本的には完成している10年マシンだが、エアロダイナミック・パッケージはバーレーンまでにまだ変化があるだろう。

バレンシアでのシェイクダウン(初ドライブ)は誰が担当しますか?
ブラウン ニコが最初に乗るが、最初の日というのはマシンのチェックが主な仕事であり、様々な重要部品の点検、分解などが行われるため、両ドライバーに乗ってもらい、彼らの印象をフィードバックしたい。その後2日目はニコが走り、3日目はマイケルが走るのではないかという予定でいる。

今回の発表会ではサード・ドライバーやテスト・ドライバーの存在が明かされていませんが、昨日はニック・ハイドフェルドがそのポジションに抜擢されたというニュースがありました。彼を起用していないのであれば、なぜ発表しないのでしょうか?
ブラウン 今まだ進行中の話のため、はっきりしたことは言えない状況だ。ただサードドライバーの話は現時点でチームにとって最優先事項ではない。むこう一週間ほどで追って情報をだせるだろうと思う。

去年は違ったかもしれませんが、今までは基本的にナンバーワン・ドライバーが存在するチームの運営をしてきたと思います。今まで多くの場面であなたのナンバーワン・ドライバーであったドライバーが今年のチームで走るという状況になりましたが、今年はナンバーワン・ドライバーはいないとするチーム方針・運営はどう変化しますか?
DSC_238.jpgブラウン ナンバーワン・ドライバーという考え方そのものに対して疑問を投げかけたい。ナンバーワン・ドライバーとは一番速いドライバーのことだから。一番速く、最も多くのレースに勝利しているドライバーがナンバーワンドライバーだ。もちろん、両ドライバーについて同様のサポートとチャンスを平等に与えていくが、シーズンが進行する中でどちらかのドライバーがチャンピオンをとるポジションに近づく状況が生まれることもある。そうなった場合、作戦が変わる可能性もあると付け加えておきたいが、その状況になるまでは両ドライバーとも全く同じ環境でレースをすることになる。この体制は09年のルーベンスとジェンソンにおいても行ってきた通りであり、今年も同様となる。その状況の中で両ドライバーが自分の立場を確立し、競い、負かしあい、正当な手段をもって建設的なコンペティションを展開していく。それがチームの力となっていくものであり、チーム側が指定したナンバーワン・ドライバーたるものは存在しないし、存在させるつもりもない。

(Translation by Noah Sellen / Photo by Akiko Samesima)

ロス・ブラウン メルセデス発表会 会見全録 2/3に続く。
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