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琢磨のクラッシュを読み解く (1/2)

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100周までは”ビジネス
5月1日にカンサス・インターナショナル・スピードウェイで行なわれたインディカー第4戦は、日本人二人が上位を争う素晴らしい展開だったが、結果は、よりによってその2台の接触という最悪の結末になった。

シモーナ・デ・シルベストロという女性ドライバーがステアリングを握る周回遅れマシンに、左回りのオーバルのアウト側から、5位を争う武藤英紀と佐藤琢磨が近づいた。周回遅れの女性ドライバーが武藤英紀に気づかなかったか、それともコントロールを失ったか、武藤英紀の進路上にラインを膨らませてきた。武藤英紀は押し出されるかっこうで進路を右に避け、斜め右後ろにいた琢磨と接触。バランスを崩した2台は、バリアに接触した。

この接触を”よくあるレーシング・インシデント”と片づけるのは簡単だが、状況を吟味すると、オーバル新人琢磨の経験不足が招いたものであるとの観方ができる。

琢磨は、そこまでも、初めてのオーバルとは思えない駿足を披露し、何度か果敢なパッシングを見せ、スムーズなレースを展開していた。しかし、厳しい観方をすると、そこまでにアクシデントにならなかったのは、相手が”まだまだテンションを上げた戦闘モードではなかった”からとも言えた。無理をせずに譲ってくれたのだ。

オーバルレーシングでは、「100周まではビジネスだ」という名文句がある。200周レースの前半は、要するにお客さんにレースを披露する時間、ということだ。ツインリンクもてぎのオーバルコースで初めてストックカー・レースが行なわれた時、オーバル初参戦の土屋圭市がレース序盤にごぼう抜きを見せた。ナスカー陣営は誰一人として彼を褒めず、この言葉が囁かれた。序盤に無理してぶつかったら元も子もない。「100周まではビジネスということを知らないやんちゃ坊主」と見られたのだ。

(2につづく)

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