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ジェームス・キー「思い切った目標を設定する」

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テクニカルディレクター、ジェームス・キーがヒンビルで過ごした最初の1カ月を振り返る。

Q. チームの第一印象はどうでしたか?
ジェームス・キー(以下、JK) とてもよかった。優秀な人材が揃っており、知識と経験のレベルも高い。そしてもちろん、施設は一級品だ。膨大なポテンシャルを秘めていると言えるだろう。すべての要素が、チームの進歩を保証している。その一方で、やらなければならないことが多いのも事実だ。2009年後半の不安定な状況から立ち直ろうとしているところだし、現在の規模で能力を引き出すには新しいアプローチが必要だろう。

Q. 最初の1カ月間に最も重視したのは何ですか?
JK 1週目はあちこち回って多くの人に会い、技術集団としてそれぞれ自分がどのような立場にあり、他とどう連携しようとしているか、その考えを知ろうとした。小規模チームでは特に、個々人が全体を把握し、協力して働くことが必要だと固く信じている。皆に自分たちのグループが何を目指し、どのような長所と短所を持っていると思うか訊きだした。それによって各部門を組合せ、全体としてのチームを纏めることができるんだ。二つ目のポイントは、現状のマシンがどの程度の仕上がりかを知ることだった。中国GPの週末はたいへん有用だった。実際にマシンが走るのを見て、ドライバーや現場のスタッフと細かい点について話し合うことができたからだ。その内容から、今後の計画を立てることになる。基本的に、判っている問題をどう解決し、まだ判らない分野にどう対処してゆくかを決めるわけだ。さいわい、チームはすでにマシンの弱点をいくつか把握しており、理想とどう違うかも知っている。私はスタッフの働きを支援し、新しい方向性についても、いくつかアイデアを出すことができた。

Q. 短期的に見て、どんなところを変えることができると思いますか?

JK まず、チームの構成を少し変えてみようと思っている。それでチームの士気を高めることができるだろう。小さな組織として、よりよく纏まるはずだ。まずはチームの効率をよくしていかなければならない。それに加え、年間を通じてどのように現在ある問題を解決してゆくかというプランを立てる。それを実行することによって、シーズン後半にチームのレベルを高めるための方向性を知ることができるだろう。

Q. 長期的な計画はどうなっていますか?
JK 長期的には、やるべきことがたくさんある。ひとつは予算に合った組織を作り、将来の目標へ向かいながら、レギュレーションの変更にも対処できるようにすることだ。組織を改変する目的のひとつは、技術的な組織を長い目で見た規則の変更に対処できるようにすることなんだ。それによって、これまでよりずっと楽に、来年のマシンの開発を進めることができるようにもなるだろう。たとえば今シーズンが終了する前に2012年の設計に着手できるようになると考えている。

Q. 2010年シーズンが進につれて、グリッド位置も上げて行けると思いますか?

JK そうなると信じている。今のマシンに、何が必要かが判っているから。ただし、問題の中にはすぐには解決できないものもある。マシンの特性を違うものに変えていかなければならない部分があるが、そうした作業には時間がかかる。それを、どれだけ早くできるかが勝負だ。すでに定めた目標は、たいへん野心的なものだ。グリッド位置を上げることは可能だが、競争は激しいので、他のチームに負けないよう、全力を尽くさなければならない。

Q. 2011年型のマシンには、いつから着手しますか?
JK 2011年型のマシンに関する作業はすでに始まっている。いろいろと違うレイアウトを比較検討しており、試してみたいアイデアや物の長いリストが出来あがっている。チームはさまざまな分野でもういくつかの基本的な作業をこなしており、2011年に変ることが判っているレギュレーションへの対応も進めているところだ。どのように今年のマシンの開発と来年のマシンの設計をバランスよく進めていくかを考慮して、今年のマシンをどう進化させてゆくかという案もある。もうそういう段階にはもう入っているんだ。チームの組織に合った今後もプランを考えているところだ。この先2〜3週間で、本格的に動きはじめるだろう。その際、これから技術的なレギュレーションやタイヤの状況がどうなってゆくかということにも注意しなければならない。

時間的なことも考えながら、開発の目標を高く設定している。早い段階でできるかぎり多く人材と資金を投入する可能性もあるだろう。

【翻訳:Shigehiro Kondo】
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