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山本左近金曜日フリー走行後会見全録

スペインGPで実現しなかったスイパニア・レーシングでの”F1復帰”がトルコGPで現実になった。山本左近は、B.セナに代わってゼッケン21のステアリングを握って金曜日のフリー走行に参加した。話が決まったのが急だったことから、F1ではドライビングの必須条件になるシート合わせもままならない状態だったが、久しぶりの”実戦”に、思わず笑みがこぼれた。

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◆久々のF1ドライブ
—-いつ以来の「F1」だった?
左近
 グランプリでいえば、2007年のブラジル以来ですね。そのあとでは、デモランならありましたけど、ルノーで。テストも乗りましたね、ルノーは。

—-今日は、シートは?
左近
 完璧に自分のシートじゃないですけど、モディファイできる範囲で調整して・・・。まあ、(決定が急だったので)できることとできないことがあったんで、百パーセントではないですが、でも、F1マシンを走らせる環境はできてたと思います。

ただ、ウインドスクリーンが低いというか、ぼく(の着座位置)が高いというか、すごい風をずっとヘルメットに受けていたんで、走りながら首を支えてたのは(笑)けっこう大変でしたね! とくにこのコースでは、首にキツい「ターン8」があるで、上下も左右も支えるのが大変でした。

◆セッション中に、どんどんセッティングを変更
—-今回は、タイムよりも、クルマについて報告するという走行だったと思いますが?
左近
 そうですね、まずはプログラム通りに走行していったんですけど、クルマの前後バランス、アンダーステア/オーバーステア、どこをどうしたら速くなるか、というのをやって。セッション中も、セッティングをどんどんツメて行って・・・ということでした。

最初は、ぼくが二年ぶりだということで、慣らすという部分もありましたが、それが終わったら、もう、所定以上ののラップタイムは出ているという(チームの)判断になって、そこからセットアップを変えていきました。

その変更は、変えることによってクルマが変わっていくというものだったので、非常に有効な(フリー走行の)90分だったと思います。

—-その変更は、おもにエアロ?
左近
 そうですね、エアロとメカニカル、両方ですね。

◆チームには、貢献できたと思う
—-事前にチームのドライバー(B.セナやK.チャンドック)から話は聞いていたと思うが、実際に走ってみて?
左近
 このサーキットが特別なのか、(彼らから)聞いてた印象とは、実際に乗ってみると違ったかなという感じですね。話ではもう少しアンダーステアが強いクルマと思ってたんですが、ここでは、そこまでアンダーが強くて曲がれないということは少なかったですね。

ただ、最初のうちはコースのコンディションが悪くて、滑りやすかったから・・・。セッションが進んで、路面のコンディションもよくなって、ラップタイムも上がっていったんですけど。また、バランス自体も、セットアップの変更で、よくなっていったかなと思います。

—-アンダーが強いという、その原因は?
左近
 まあ、いろいろと考えられることはあって・・・。まずはダウンフォース量ですね、それから前後バランス、そのなかでフロント(のグリップ)が足りてない。・・・というのが、レースやってきたなかで、聞いてきたコメントでしたね。

今回は、ターン8は最初の頃はオーバーステアで、すごく滑りやすかったです。ほんとに、けっこう、恐かったです(笑)。

—-一時間半で、チームには貢献できた?
左近
 そうですね、データ、いろいろ取ることができましたし、こういう風に仕事をこなしていくのが、いまのぼくの立場だと思いますし。

—-これから先の、左近選手のステップは?
左近
 それは(チームl代表がどう考えるか、それ次第だと思います。本人としては、クルマに乗っていたいというのが一番なので・・・。

—-未定ということ?
左近 
そうですね、でも、そんなに遠くないと思います。あと、近いうちに(自分のための)ちゃんとしたシートを作ることができると思うし、ステアリングも、ぼくのふだんのポジションよりもずっと近くて、そういう状態で乗ってましたので、それも改善したいです。まあ、また、楽しみですね。

◆クルマは、まだまだ速くできる!
—-クルマに「伸びしろ」はある?
左近
 それは、たくさんありますね。

—-それは、セッティングでも?
左近
 セッティングは、そんなに動かせる部分はないんですが、ただ、バランスに関しては、もっといいバランスが見つけていければ、ラップタイム自体も上がると思います。今回は、(セッションの)途中で黄旗が出ちゃったので、ラップタイムは上げられなかったんですが。

でも、前後バランスを変えて、ラップタイムは上がっていっていたので、今度、乗る機会があったときに、どうして行けばいいか、考えておきたいと思います。

—-今日のシートは?
左近
 ブルーノのシートに、ぼくが乗って、そこからモディファイしていくという感じですね。今回のシートは”底”が小さくて、ブルーノとは背丈も違うので、ポジションが”寝て”いるかっこうになっていたので、まずそれを”起こす”ことから始めましたね。フォームで発泡させて、自分のシートを作ったんですけど。

—-今日は、トラブルはなかった?
左近
 それはなくて、順調だったですね。リヤウィングのガーニー(フラップ)が取れたということ以外は。

—-セクター3で遅れたのは、原因は低速コーナー?
左近
 低速コーナーへのブレーキングですね。ここは、クルマに合わせてのブレーキングをしなければならないので。

—-今日のラップタイムは?
左近
 最終的には「36秒1」というのが、表示されてるラップタイムなんですけど、実際には、それより速く走れているので。自分のシートでもないですし、タイムの”伸びしろ”はまだあると思います。

ただ、クルマのバランスを知るには、(クルマの)百パーセントで走らないとわからないので、そういう意味では、今日は”抑えて走った”とか、そういうことはないです。

—-今日の達成感は?
左近
 いろいろ条件あるなかで、自分の仕事は、ちゃんとこなせたかなと思います。

—-楽しかった?
左近
 楽しかったというより、う〜ん、ワクワクした! 久しぶりにF1マシンに乗って、この感覚というのは、ほかでは体感できないですから。

—-チームにアピールできたという自信は?
左近
 それはもちろん、ありますね、はい!

—-2007年のF1と、今日のF1を、ムリヤリ(笑)較べると?
左近
 そうですね・・・、F1の独特な部分っていうのは、ブレーキのストッピング・パワーが、ほかのレーシング・カーと較べて、ものすごく高いんですね。いまは、GP2のクルマが一番F1に近いと思うんですけど、そういうのと較べても、F1のブレーキはやっぱり強かったですね。

—-コーナリング「G」は?
左近
 ブレーキの「G」が高いので、それに比例して、コーナリング「G」も上がりますね。あと、2007年時と較べると、トラクション・コントロールがなくなっているとか、電子デバイスがいまはないので、そういう意味では、走らせ方が違いますね。ボタンの数も、減ってますね。

—-次の機会、楽しみにしてます。
左近
 はい、頑張ります!

                【STINGER / text by Iemura Hiroaki】

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